202011 ジャパロボ 48

渋谷かな

第1話 ジャパロボ48

「やって来ました! 横浜!」

 さとみたちは女子会のためにオシャレなイメージで横浜にやって来た。

「はい! ここより先に入らないで! 入ったら大日本帝国自衛隊法違反により逮捕しちゃうぞ!」

 チーム祐奈の隊員たちはエンペラー・ジャパロボの周囲に規制線を貼る。

「これでよし! いざ! 出陣じゃ!」

「祐奈教官は女子会を理解しているんですか?」

 麻衣の不安は高まる。

「人生、寝てばっかの私が知っていると思うか?」

「思いません。」

 想像通りの答えだった。

「オシャレなフレンチ勝利のお店を予約しておいたので行きましょう。」

「さすが麻衣ちゃん。ボーナスアップも夢じゃないぞ。」

「やったー!」

 こうしてフレンチ料理が何か知らないままチーム祐奈はお店に行く。


「こ、これは!? なんだ!?」

 チーム祐奈の面々は見たこともない敵に震えた。

「かたつむりを食えというのか!?」

「フランスではエスカルゴっていうんです。フランスでは高級食材ですよ。」

「恐るべし!? フランス驚異の食文化!?」

 案の定、フォークをエスカルゴに突き刺すのに苦戦して転がして遊ぶ。

「これが女子会というものなのか!?」

「違います!? 女子だけで美味しい食事を食べて、ガールズトークするんです!」

「ガールズトーク!?」

 聞きなれない言葉に祐奈は興味深々。

「なんていい響きなんだ! みんな! ガールズトークするぞ!」

「おお!」

「良かった。やっと女子会らしくなる。」

 麻衣は少し安堵する。

「でね。今度カナダのグリンゲイブルズって所でテロの情報があってね。綾教官が出張しろっていうのよ! 酷いでしょ!?」

「やったー! 修学旅行はカナダだ!」

「おやつは300円までですか!?」

「四大精霊ジャパロボを解体させてよ!」

「嫌です。」

「久美ちゃん・ジャパロボをパワーアップさせるんだ。アハッ!」

 普通の女子会は崩れ去った。

「美味しい。」

「こらー!? 未成年がワインを飲むな!?」

「グレープジュースはお酒ではありません! ヒクッ!?」

 酔っ払う優子。

「zzz。」

 寝てるイリス。

「余は満足じゃ! 女子会は大成功だな! アハッ!」

 祐奈は娘たちや隊員たちを見て微笑んでいた。

「麻理子、あなたただけでも、この人たちに馴染んじゃダメよ。」

「は、はい。」

「今度、二人だけで女子会しましょうね。」

 麻衣は麻理子以外の仲間を切り捨てた。

「さあ、楽しい一時も過ごせたし、帰るとするか。麻衣、お会計を頼んだぞ。」

 これはレジでの一コマである。

「ええー!? 祐奈教官のおごりじゃないんですか!?」

「バカ言うな!? 私はお金なんか持ってきていないぞ!? 自慢じゃないが私はATMからお金を下ろしたことはないんだぞ!?」

 全てAIロボットの明治天皇にやらせていたからである。

「分かった。私の実力を見せてやろう。みんな先に出ていろ。店長を呼んでくれるかな?」

 なにやら祐奈はレストランの店長と話している。

「さあ、帰るぞ。」

「祐奈教官、ちゃんとお金は払ったんですか?」

「いいや。代わりにレストランの壁に私のサインを書いてきた。明日から、あの店は大行列ができるぞ。ワッハッハー!」

 国民的英雄の祐奈だから許される行為である。

「次は締めのラーメンだ!」

 二次会が始まる。

 つづく。

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