◆第一章:人物紹介
アズルト:
リドの固有名を持つ人造天使。現在はウォルトラン男爵家の四男アズルト・ベイとして身分を偽り
クレアトゥール:
全身に魔傷を持つかたわの獣人の少女。十五歳。天位に至るほどの騎士の適性を持つが、ヒトとしては壊滅的なまでの社会不適合者。アズルトに心の傷を抉られ、さらには半ば脅しの形で共謀者に仕立て上げられる。後に己の暴力性を正しく理解し、この協力関係に納得を示すようになる。アズルトと一括りで語られることの多い四組の問題児筆頭。いつも不機嫌そうな顔をしている。
マフクス:
本名はマフクス・ディア・バッテシュメヘ。二十七歳。予科一年四組の担当教官。赤と青の位格を持つ騎士で、黒位への昇格も時間の問題と噂される傑物。先の任地はニザ瘴土帯の第三層。粗暴かつ適当な性格をしているが、アズルトの入学の経緯の特異性を見抜くなど多方面で傑出した才を発揮する人物。
シャルロット:
本名はシャルロット・ラル・ランクート。十六歳。ランクート公国の第三公女。原作『ムグラノの水紋』における三人の主人公の一人で、本来の姿は男装の麗人。ラケルでは長い青銀の髪を背に流す灰瞳の美しい令嬢として登場した。現時点で確定しているプレイヤーで、ラケルをゲームの世界の延長として捉えている節がある。どういったエンディングを目指しているかなど、気がかりな点は多い。
メナ:
本名はメナ・ベイ・ツィベニテア。十五歳。かつてツィベニテアの神童と呼ばれた
オルウェンキス:
本名はオルウェンキス・オン・ソシアラ。十四歳。騎士貴族血統至上主義を掲げる純血派の貴族。三家ある方位守家の東を担うソシアラ侯爵家に連なる者でその後継者。高慢な性格で、他者を踏み躙ることで充足感を得る類の歪んだ自己肯定欲求を持つ。だが他者に厳しく己により厳しい内罰的傾向を併せ持っており、その発言はすべて事実に根差したものである。四組の抱える問題児の一人。
ユリス:
本名はユリス・ベイ・コルレラータ。十四歳。北方の子爵家の令嬢で、フェルトとディスケンスの庇護者。フェルトが平民のまとめ役となっている関係で、グループの発言力の要ともなっている。至って快活な少女で、けれど平民との距離感を適度に保つ振舞いが、彼らの強い信頼に繋がっている。平民たちの姉のような存在。
フェルト:
優し気な風貌が人目を引く
ディスケンス:
フェルトとは幼馴染の、背の高い強面の少年。十五歳。乱暴な言動が目立つが、平民グループの陰の功労者で、彼の存在抜きで今のグループの立ち位置はない。貴族に平然と楯突く態度から四組の問題児に名を連ねているが、彼のその行動によってグループ間の均衡が維持されている。ユリス含め幾人かの貴族から評価を得ている一方で、平民らからは煙たがられている。
エレーナ:
本名はエレーナ・オン・マダルハンゼ。十五歳。南方の伯爵で、れっきとした現役の諸侯である。分家の生まれながら本家のごたごたで当主の座につけられ、騎士養成学校に押し込まれたお飾りの領主である。本人もそのことに薄々感づいてはいるが、懸命に伯爵としての役割を演じている。四組でもその肩書に振り回されており、組のまとめ役として奔走する日々だが成果は芳しくない。
◇ゲーム中で活躍のあった人物たち
アイナ:
本名はアイナ・エメット、十四歳。今年、上位二組に入り込めたただひとりの平民。原作『ムグラノの水紋』における三人の主人公の一人で、器用万能を体現するキャラクター。宝珠適性はキャスパーに次ぐ第三位である。図書館の常連であり、アズルトやクレアトゥールとは言葉を交わしたことこそないものの見知った間柄。
サーナニヤ:
本名はサーナニヤ・オン・スホルホフ、十六歳。スホルホフ子爵家の現当主。原作『ムグラノの水紋』における三人の主人公の一人で、リズベットの取り巻きの一人として登場。作中における名はサーナニヤ・ベイ・スホルホフ。アイナやシャルロットの協力者として、悪役令嬢であるリズベットを裏切る役回りである。
アズルトが最初に発見したイレギュラー。バルデンリンドの資料には、スホルホフ家の粛清に加担し子爵位を継いだとある。現在は子爵家の当主でありながら、リズベットの侍女の役職を持ち行動を共にしている異様な経歴の持ち主。
しがない戦闘員の俺が、悪役令嬢の父君である外道公爵から乙女ゲーの舞台への潜入を命じられた件について 風間 秋 @yanoyura
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