第9話 2人のバディ候補
───三大名主と千早が会っている間───
「あーつまんねぇー。」
待ち始めて1時間強ぐらい経ったのだか2人で座って待ってると隣にいるやつがだらだらしながら不満をもらしたはじめた。
会話もしたくないやつだから俺だってお前と一緒にいるのは勘弁だということは心の中で吐露する。
「夜継。なんでお前立候補したの?」
俺がここにいるのは俺が待ってた守り刀の持ち主が現れたことに始まる。叔父には言ってないが俺の前世関係が関連している事柄だ。
「…お前には関係ない。」
「関係大ありじゃん。こっちは花のJKと過ごせるチャンスだから立候補したのに夜継が一緒に立候補とか邪魔でしかねぇよ。」
こいつ本当に殺してやろうかと歯をギリギリと鳴らす。
「…下心ありありで立候補したのなら俺に譲れ。」
「なーに夜継は下心ないわけー?んなら俺に譲れよwそれ別に問題ないじゃんw」
「仁⋯。ふざけるなよ⋯?」
「えーw全然ふざけてないしーw」
彼女に関する話が全然噛み合わなくて平行線にしかならない状況に流石に俺もイライラが頂点に達してきていた。
そこに三大名主の3人と凛、蛍、そして彼女が現れた。
俺は2人で待つことでイライラの限界を迎えていたところだったので丁度いいタイミングで大助かりだった。
そこで凛が俺達に話しかける
「立候補したのは貴方たちと聞いたのだけれど。」
「お嬢!俺っ!俺を千早ちゃんのバディにしてくださいっ!」
仁が自己主張が激しいアピールをしてくる。
俺は仁に白い目を向けて自分の意見を主張した。
「はぁ…。まずは2人とも千早に自己紹介をしてちょうだい。」
「はいはーい!俺は雨月仁!千早ちゃんのバディになったら手取り足取り色々教えてあげるよー!」
「守山夜継だ。よろしく頼む⋯。以上。」
私の感想は凄い正反対の性格の人が立候補してくれているなという一言に尽きた。
仁さんは明るい人で夜継さんは寡黙な人なんだなという印象。
私は仁さんには一緒にいて楽しそうだとは思った。
だけどそれ以上に私は夜継さんの雰囲気に懐かしい気配を感じた。
なんだろうこれ…。
そんなことを思ってると凛が
「どちらも選ばないという選択肢もあるからそんなに気負う必要はないわ。」
と言った。
しかし不思議と私は夜継さんが気になって仕方がなくなっていたから正直な気持ちを凛に伝えた。
「うーん。なんか夜継さんの雰囲気が⋯。」
そこまで言うと仁さんが
「そうだよねぇ!こんな根暗より俺のほうが断然いいよねぇ!!」
と食い気味で自分を推してきた。
「千早は仁がいいのかしら?」
そう凛が言うので私は慌てて否定した。
「えーと!夜継さんの雰囲気が不思議なんですけどなんか懐かしい感じがするので夜継さんにお願いしてもいいですか?」
と私は夜継さんを選んだ。
「はぁ!!千早ちゃんこいつのどこがいいんだよ!」と仁さんが言っていたが
「⋯そういう感覚って私達の仲間では大切な事柄に繋がっている事が多いの。千早がそう感じたならそれはとっても重要な事だわ。」
と仁さんの言い分をピシャリと止めていた。
だけども仁さんは「俺と千早ちゃんが居ればそのうちいい感じに⋯!!」と私に仁さんが手を握ろうとしたところで蛍さんがグーで仁さんに鉄拳制裁を開始した。
凛も
「蛍。手加減しなくていいから仁にわからせてやりなさい。」
とトドメをさしていた。
流石お嬢⋯。
ところでそちらで蛍さんと仁さんが鉄拳合戦になってた頃こちらは私と夜継さんで挨拶合戦になっていた。
「夜継さん!これからよろしくお願いしますね!」
そういうと夜継さんはぺこりとお辞儀しながら
「あぁ千早⋯さんでいいか?。これからよろしく頼む。」
と丁寧に挨拶してくれた。
しかしそうお辞儀されるとこちらも歳下の意地があるのだ。
私はぺこりとお辞儀を返しながら
「夜継さんのほうが歳上なので千早と呼び捨てで結構です!こちらこそよろしくお願いします!」という風に勢いよく彼に挨拶した。
そうすると夜継さんは微笑んで
「千早。選んでくれて感謝する。」
とそれはもう爆発力がある笑顔でお礼をしてくれました。
寡黙な人が微笑むとこんなに爆発力があるのかと私は顔を赤くしながら
「いや⋯全然。むしろこっちがお礼したいくらいです⋯。」
とよく夜継さんの顔を見ると顔立ちが整ってて私のどストライクゾーン一直線だった。
こうして私はドキドキしながら夜継さんという補佐役+お目付け役の彼と一緒にバディを組むになったのだった。
御霊語ーミタマガタリー 緋月@時計屋 @hituki-k
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