202011 ジャパロボ 42

渋谷かな

第1話 ジャパロボ42

「ワッハッハー! 私は大日本帝国の女帝になるのだ!」

 野心を前面に出す大江都知事。

「狂ってる!? なんなのこの自己中は!?」

 サイコパスを見て一歩引き下がるさとみたち。

「北海道代表の人達はどうしたのよ?」

「ああ、今頃、津軽海峡で大間のマグロのエサになっているだろうよ。」

「ええー!? 大間のマグロって人食いだったの!?」

「いや、驚くところが違うだろ。」

「アハッ!」

 どんな逆境でもユーモアは忘れずに。

「私が女皇帝になる前に、過去の汚点は消しておかないとな。」

「ギャアアアアアア!?」

「麻理子さん!?」

 麻理子のジャパロボを締め付ける大江都知事。

「い、今のジャパロボの操縦技術に触手なんて動かすことはできないはず!? こんなことができるのは!?」

「そうだ。私は強化人間になったのだ。」

 大江都知事はジャパロボを操縦するために脳波で動かせるように自分を強化人間に改造したのだった。

「まだ、あの恐ろしい実験をやっていたのね!?」

「麻理子。おまえを強化人間にしてデータは取れていたからな。おかげで私は人体に不可をあまりかけずに強化人間になることができたよ。ありがとう。感謝するよ。ワッハッハー!」

 麻理子は元々は都庁の強化人間であった。その呪縛から自衛隊に引き取られて解放されていた。麻理子が嫌な感覚を感じたのは強化人間同士が惹かれあっていたからだった。

「死ね! この裏切り者!」

「ギャアアアアアア!?」

 大江都知事は麻理子を締め付けていく。

「麻理子さんを助けよう!」

「おお!」

「私が突撃するから、さとみとすずちゃんは援護を!」

「了解!」

 作戦を決めイリスが化け物に突撃する。

「こんな奴を助けるのか? させるかよ!」

 大江都知事は触手でイリスのジャパロボを捕まえにかかる。

「あなたには物にしか見えなくても、麻理子さんは私たちの仲間だ! うおおおおおおー!」

 360度回転しながら突き進んでいくイリス。

「いけ! お姉ちゃん!」

「援護します!」

 さとみとすずが触手をイリスに近づけないように援護する。

「小賢しい!? ハエ共が!? これならどうだ!」

 高エネルギー破で攻撃する大江都知事。

「ウワアアアアアー!? 近づけない!?」

 圧倒的な力の前に前に進めないイリス。

「さあ! 処刑の始まりだ! 死ね! 麻理子!」

「ギャアアアアアア!?」

「麻理子さん!?」

 躊躇なく触手で麻理子のジャパロボを締め付ける大江都知事。

(みんな、私の分までがんばってね。)

「麻理子さん!?」

 さとみたち全員に麻理子の声が心に響いた。

「ドカーン!」

 麻理子のジャパロボが爆発した。

 つづく。

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