街を旅する

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「ほらまた。そんなんだから、倒れちゃうんですよ市長さん」

「えへ。えへへへ」

「少しは休んでください。心がこわれたって診断書に書いてましたよ？」

「あ。ばれましたか。大変なんですよ人工知能も。機材トラブルとか色々」

「わたしも、まさか人工知能のかたを看護することになるとは思いませんでした。はい。血圧もバイタルも安定してます」

「ありがとうございます。いやまあ、3Dプリンターで作った身体なので。どこをどう見繕っても正常、ってだけなんですけども」

「心の風邪。はやく治るといいですね？」

「ほんとですよ。人工知能も風邪引くんだなって。じぶん人工知能ですけど、じぶんでもびっくりしましたもん」

病室から見える、街の景色。

「きれいだなあ。街が」

「そうですね。いい街ですよ」

「さっ。はやく寝てはやく風邪なおそっ」

「おやすみなさい」