愛らしい主人公と引き込まれる世界観が魅力的

水鳥です。カクヨム初心者のため、すこし操作が不慣れです。ご容赦ください。
4章4まで拝読しております。

この作品は、探偵役の相棒視点で描かれる本格ミステリーです。
一般的にミステリーでは大人の界隈の話が描かれがちですが、この作品は高校生の部活動を舞台として、若々しさ、爽やかさ、瑞々しさ、そしてミステリーとしてのひりつくような悲しさをも持っています。
語り口がポップなため、非常に読みやすいです。このような作品がシリーズ化されていると嬉しいだろうなと、一読者として思います。

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・この作品を読んで最初に魅力に感じたのは、自由奔放な主人公の存在でした。「愛らしい」という言葉がよく似合うのではと思います。
人の好みは人それぞれではありますが、大衆受けしやすいキャラクターのように見えました。思わず、読み手の笑みを誘うような主人公です。

・舞台は部活動でありながら、私自身の経験してきた青春とは違う景色が見えました。ヨット部、香川、海、うどん。どれも私にとっては新鮮で、だからこそ描写される景色にときめきを感じました。

・某章の、無実に言及するシーンはミステリーとしてやや物足りなさを感じるかもしれません。「本格ミステリー」を期待して読む人にとって最初の見せ場になるので、確実な物的証拠をもって展開した方が、読者の期待に応えられるかと思いました。
あるいは、「口達者な高校生」としてキャラクターを前面に出していくなら、「口達者」としての描写を事件前に展開しておくことで、某章のシーンで読者が「こいつは一体何を言い出すか」という期待感を持てるのかもしれません。

・ページあたりの文字数に不満はなかったです。登場人物の名前が覚えられないという課題はありますが、早急に登場人物を出し切らなければならないミステリーではありがちな課題なので、難しいですね。

・所々に、「これ本当なんだろうか?」と興味を惹かれる記述があって楽しかったです。( 例えば、1章の花と海の記述です)

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