冷凍された真夢

作者 棺之夜幟

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★★★ Excellent!!!

始めは話のペースがゆっくりで、「どういう話なの?」と思わされます。次に「あれっ?さっき一瞬異常なこと起こってたよね?なんで日常に戻ってるの」という印象に変化します。

普段は最後まで読んでからレビューするのですが、この作品に関しては過程が特徴的なのであえて途中で書きます。

というのもこのお話、読み進んで謎を追う過程でジャンルが変わるんです。サイコメトラー的なものかと思ったら、幽霊もの。御祓士ものかと思ったら、連続殺人犯もの、BLもちょっと入ってるのかと思ったら今度は人ですらない…?主人公とその周囲のイメージも著しく変わっていきます。殺人事件の被害者すら、別のものに。とはいえ、それがこの作品の魅力をそこなうかというとそうではなく、この話数の多さにもかかわらず読者を飽きさせずに読み進めさせる推進力になっているのです。

46話以降はどう変化していくのかしら。
主人公に「ない」ものはなに?
優等生の小清水は一体何者なの?
いかにも怪しい金持ち日比野は何がしたいの?
そんな疑問にどう答えてくれるのか楽しみです。

★★★ Excellent!!!

夢で冷凍庫の中に女の死体を見つける導入から始まる物語。

普通の生活を送る大学生の巻き込まれものかと思いきや、徐々に明かされていく驚愕の真実。読者は感情移入すべき対象を見失ってしまう。

蟻地獄のように一度入り込んだら出られない。
薔薇のように魅惑的で、刺々しい。

一般的な感覚を持った人物がほぼ登場しない。受け入れられる人にとっては、魅力的なキャラクターたち。

この先どんな深淵が待っているのか。
きっとそこは、血で塗り飾られている。

★★★ Excellent!!!

ある日、冷蔵庫が半開きになっていた。
それから、その冷蔵庫から女の上半身が出てくる……夢を見た。
知らない女だが、どうやら実在する人物らしい。
しかも……。

落ち着いた文体と奇妙な出来事が相まって不気味な世界観を作り出している。
静かなホラーが好きな人におすすめ。