悪意の山を転がり落ちてゆく
- ★★★ Excellent!!!
そこにあったのは、ほんの少しの事実。
『いじめ』と、ただの『維持すべき日常』
雪山のように積み上がって、身を守るために見てみぬふりをして、
どうしようも無い程積み上がった頂上から、ひっそりと誰かが雪玉を投げ落とす。
転がって、転がって。
どんどん、どんどんと膨れ上がって、
そこにあったものは踏み潰されて、あとには剥き出しの本性だけが残される。
誰かが誰かを誑かし、
誰かが誰かを陥れる。
そして、最後には砕けて全て消えるのです。
連鎖する悪意の中に読者を転がり落とし、そして最後に全てを引っ繰り返してしまう。
そんな作品でした。