エピローグ

 誠と花蓮は、神のキセキをも越えるキセキを起こし、運命を変えた。

 なぜ起こせたのかは、私にはわからない。

 ただ愛だとかそんな言葉で簡単にまとめたくないと私は思う。

 でも、確かに何よりも輝いていた。

 私にもまた起こすことができるだろうか。

 そして、その後二人は一生を共に過ごすこととなる。


 神は、熱いお茶をすすりながらその姿を見ていた。

 神のキセキよりも大きなキセキを起こすか。

 予想以上の答えを出したなと思った。

 親の心子知らず。

 なぜ彩の記憶が戻ったタイミングで、私が彼の目の前に現れたか彼らは知らない。

 子供に今度は幸せになってほしいと願う親の気持ちを彼は知らない。

 髭をさわりながら、それでもいいと私は自分を納得させる。

 そして自分が作った日本を、神の神殿から見下ろしながら、私は笑ったのだった。

 今日もいつものように空は晴れていた。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕は君のために何度でも奇跡を起こす 桃口 優/光を見つけた作家 @momoguti

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ