第2話 姉、廃嫡された後。
なんやかんやあり両親と共に馬車に乗り家へ向かうジード。
安心したのか母フーフに抱きしめられたまま、豊満な胸に頭を乗せ爆睡してしまう。
圧倒的母性…………!
「あらあら、そんなに安心したのかしら。全く可愛いんだから……」
「しかし、無職なのは良かったな。変に英雄や勇者になられて可愛いジードを危険な目に合わせなくてすむ。ジードはパパとママとと一生一緒に暮らすのだ。」
「もう……貴方ったら……。今日はほんとに素敵な日ね。そうだわ!家はお姉ちゃんのブラちゃんに継いでもらいましょう!それならお嫁に行かなくて済むし!家族4人でずっと一緒よ。」
「ふふふ、すぐ5人になるかもしれんぞ……?」
「……!もう……貴方ったら♡」
あー!いけません!子供の前でイチャイチャするのは教育に悪いですよ!!!
あっ!ちょっ!舌絡めたらダメですって!!
×××××××××!!
家に帰ると長女のブラが飛び出してきました。
この女、齢16にして婚約者無し。容姿が悪い?いいえ、母フーフに似てとても美しい顔立ちでございます。
幼少の頃よりその美しさ故に、高貴な貴族のガキ共が惚れて、ひっきりなしに縁談が来ています。
では能力に問題が?
いいえ、この女、父ゾーカク譲りの武術の才能があります。
U-12プレテン剣術大会では、この試合に勝ったら婚約者になれと言ってきた騎士団長の息子相手に瞬殺。
母フーフ譲りの魔術の才能もあります。
U-12プレテン魔術大会では、この試合に勝ったら婚約者になれと言ってきた魔法師団長の息子相手に瞬殺。
頭脳明晰でもあります。
U-12プレテン謎解き大会では、この試合に勝ったら婚約者になれと言ってきた宰相の息子相手に瞬殺。
メンタルも強いです。
王子にひっきりなしに婚約者になれと言われてもガン無視のタングステンのメンタリティもあります。
15歳の頃授かった天職は【姫騎士】。
うーん……完璧美少女…
何でこんな良い子が婚約者いないんですかねぇ……スットボケー
「ママ!ジードはなんだった!?勇者?英雄?それとも魔王!?はっ……!まさか私の旦那さんとか?キャッ♡」
はい、名前の通りブラコンでございます。
この女、2歳の頃初めてジードを見た時から恋を知ったおませガール!
2歳にして赤子の弟に乳房を吸わせ授乳を試み、性欲を知ったドスケベガール!
ジードが婚約した時、私は認めないと暴れて屋敷をぶっ壊し、婚約者の家を族滅しようとしたヤンデレガール!
ジードが許してくれるなら速攻で逆レイプして孕み、お嫁さんになっちゃった♡をする気満々である!
どうしてこんなになるまで放っておいたんですか??
「あらあら、ほんとにブラちゃんはジードちゃんが大好きねぇ。ブラちゃんとジードちゃんが仲良しでママ嬉しいわぁ……!」
「ふふふ、仲良しさでは俺とママには勝てないがな……!」
「まぁ……貴方ったら♡」
この親が悪いなうん。
なんやかんや説明しされたブラちゃん。
ジードの婚約も破棄、家は自分が継ぐということは嫁に行かず、ジードを囲えるとあり大興奮の大洪水。ジードとの幸せな妄想が捗ります。
我慢できなくなったブラちゃん。夜中にジードの寝室に忍び込みます。
爆睡してるジードに(こいつ寝すぎやろ)馬乗りになり、感極まったブラちゃん。
「もういいよね?ねっ?だって婚約は白紙でしょ?ジードは私の旦那さんが天職だもんね?うふふ、あぁ……やっと…………やっとあの女からジードちゃんを取り戻せた♡ずぅっと一緒よ。絶対逃がしてあげない。誰にもあげない。今から1つになろう?いいよね?ジードなら私も子供も大事にしてくれるもんね?お姉ちゃんのこと大好きだもんね?ね?好きって言って。お姉ちゃん大好きって言って。早く言って。ねぇ起きてよ。早く。早く。好きって言ってギュッして。早く。早く。ギュッってしてよ。」
普通ならドン引き。しかしジードは伊達に無職判定されてません。
「ん……?姉さんどうしているの?ここ僕の部屋だけど。」
「あ♡ねぇジード?お姉ちゃんの(恋愛的に)好きだよね?ね?」
「ん〜?よくわかんないけど(家族として)好きだよ?」
「ふふふ、ふふそうよね!あの女なんかジードちゃんにとっては夏場の暖炉くらいいらないわよね……!そうよ。私のことが好きだもん。ねぇジード?抱きしめて?好きって言って?」
寝ぼけ眼のジード。早く寝させてくれくらいしか考えてなく、明らかにネジが外れてるお姉ちゃんを見ても何も気づきません。
鈍いってレベルじゃねぇぞ!?
お前童貞も守れない男は何も守れねぇぞ!
自分の貞操は自分で守らなあかんで!
「ん〜?姉さん大好き(´。•ω(•ω•。`)ギュッ♡ 」
「(*´°`*)ハウ」
「あれ、寝ちゃった。全く、そんなに眠かったなら自分の部屋で寝ればいいのに。仕方ないなぁ。おやすみ姉さん。スピー」
そう、ジードの貞操はブラちゃんの紙防御により守られてた。
この女、毎回弟をぺろりんちょしに行くのは良いが、毎回撃退されているのだ。
ラオシャンロンでももうちょっと耐えるで……
そして毎回速攻で撃退されるため、ジードは狙われているのに未だ気づかない。
ジードさぁ……お前ほんま無職なだけあってしょうもないやつやで……
とある貴族の家
「はぁ!?婚約解消!?許さないわよ!ジードの分際で何勝手にあたしから離れようとしてるわけ!?」
「そうですよね、お嬢様はジード様の事を愛しておりますもの。でも無職なのにいいんですか?」
「べっ、別にジードのことなんて好きじゃないんだけど!?アイツとは腐れ縁よ、腐れ縁。無職なんて可哀想だから私が幼なじみの縁で面倒見てあげようって思っただけで全然好きじゃないんだけど!?」
「ウププ。そうですね。」
無職と鑑定された俺は廃嫡され伯爵家を追放された。 なんてことは無かった。 メリーさん @y300634
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