202010 ジャパロボ 14

渋谷かな

第1話 ジャパロボ14

「うわあ~! 話が違うんですけど!? 地下は安全だったんじゃないの!?」

「祐奈さんの時は、参加者が100人しかいなかったみたいです。アハッ!」

「笑って誤魔化すな!? 出来損ないのAIロボット!?」

 遂に始まった全国ジャパロボ大会の東京予選。渋谷の地下、略して渋地下にも大量のジャパロボが犇めいていた。

「奥多摩か、高尾さんにでも陣取れば良かった!?」

「きっと有名な所にはジャパロボがいっぱいでしょうね。アハッ!」

「ホストのスーパーコンピューターで解析できているんだった先に言ってよ!?」

 地味だった令和ちゃんのポジションが確立できつつある。

「じゃあ、空だったら安全かしら?」

「いいえ。技術の進歩で、ヘリコプター・ジャパロボや、飛行機ジャパロボが大量に参戦していますから、空は危険ですね。」

「それなら海は?」

「海も水中用のジャパロボでいっぱいですよ。船のジャパロボや潜水艦のジャパロボなどが東京湾から多摩川まで飛び跳ねてますからね。」

 ただの車に手足をつけただけのジャパロボが、よくもここまで進化したものである。

「なら陸戦でって、陸戦用のジャパロボも戦車ジャパロボだの、侍ジャパロボなど溢れてるんですけど!?」

 渋地下は満員電車のようにジャパロボが筋詰め状態だった。

「ダメだ!? すずちゃん! いったん地上に出よう!」

「はい!」

 さとみたちは地下から地上に出た。

「こ、これは!?」

「地上が吹き飛んでいる!?」

 全てが吹き飛んでいるスクランブル交差点を見た。ハチ公像も、渋谷駅も、スクランブルスクエアも、ヒカリエ、ストリーム、セルリアンタワーも全てが破壊され大炎上していた。

「どうしてこんなことに!?」

「イリスお姉ちゃんがいない!? お姉ちゃんは無事なの!?」

 周囲を見渡すが姉の姿はどこにもなかった。

「こんなことができるのは、あいつだ・・・・・・あいつしかいない!?」

「上空に生体反応があります!」

 上空には黒いジャパロボが飛んで静止いた。

「あの黒いジャパロボは!?」

「竹内優子!」

 現れたのは前回の全国ジャパロボ大会の優勝者の優子だった。

「ハエが多いんでね。大掃除をし終えたところさ。」

「こんな街中で核兵器を使うなんて!?」

「甘えるんじゃないよ! 大会の規定に武器は核爆弾を使ってはいけませんなんて書いてないからね!」

 悪びれる様子の無い優子。

「・・・・・・やったな。よくもイリスお姉ちゃんをやったなー!!!!!!!!」

 さとみの怒りが爆発する。

 つづく。

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