現代ダンジョン探報～30代無職が冒険者になりました～

8 [SS]とある陸自のベアキラーPT評価

「さて、これでいいものか……」

俺は食堂で作成した書類をタブレットで見直している。

一度作成したので気分を変える為に食事をしながらになっている。

「タツ、何悩んでるの？」

俺と同じようにいつの間にかアッキー担当になっている片割れのタマが、食事が載ったトレイを俺の対面に置きながら話しかけてくる。

最初の時に良くかかわったという理由でベアキラー担当を押し付けられたけど、想像以上にズレてて結構大変だ。

「この前のベアキラーPT評価って俺だけが見てたから、簡単にまとめて隊全体に告知しようと思って作った資料の見直し」

タイチョーも何か知りたそうだったし、結局いつか作るならちょうどいい機会だと思った。

最近他所から派遣要請が相次いでいるらしいので、その参考情報としても使えるような形にしたつもりだ。

資料作りも手間がかかるので、可能なら兼ねるようにしておきたいのはどこの職場でも同じだろう。

「この星の数って黒いのが評価数でいい？」

頷きながら、覗き込んできたタマの方にタブレットを滑らせる。

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【ベアキラー （和田明彦）】

※戦闘力は中村3尉を星5としての想定評価

攻撃力：★★★★★★★★☆☆

防御力：★★★★★★★★★★

機動力：★★★★☆☆☆☆☆☆

判断力：★★★★★☆☆☆☆☆

攻撃手段：拳、魔法

※その他は姉崎士長を星5としての想定評価

コミ力：★★★☆☆☆☆☆☆☆

人間性：★★★★★★★☆☆☆

危険度：★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

備考

戦闘力については地区TOPの実力者

クマ少数、蟻多数撃破。

なお単体でクマを撃破可能なのは宮川樹里香となっている。

ダンジョンの見解、魔法の発展性等の面でも多大な寄与。

少し固執している部分があるが、比較的常識的な判断をしている。

これまでかかわった経験か及び、交友関係からも背景情報にあるような危惧は不要

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「個人的にタイチョー結構対外な能力だと思うんだけど……」

「実際のアッキーの戦闘跡とか、クマの能力考えてみろ。　攻撃受けて生きてるわ、一突きで仕留めるとかタイチョーと比較してもおかしいと思うだろ」

「そういえば、そうね。　アッキーは私達より強いと思ってたけれど、タイチョーと比較すると異常さが実感できるわね……」

そりゃ、陸自の面々より強いって言ってるからな……。

他の冒険者はともかく、アッキーの場合クマ倒したの冒険者カード取る前だから俺たちの訓練に対して疑問が出てくる。

「というか、これ名前逆じゃなくていいの？」

「タイチョーが各方面でベアキラーで通してるから、こっちの方が他の地区の人間には把握りやすいと思った」

それもそうねとあっさりとタマが納得する。

アッキーに見せると面倒な事になりそうだから目に入らないようにしよう。

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【木崎 茶楽】

※戦闘力は中村3尉を星5としての想定評価

攻撃力：★★★☆☆☆☆☆☆☆

防御力：★★★☆☆☆☆☆☆☆

機動力：★★★★★★★★☆☆

判断力：★★★★★☆☆☆☆☆

攻撃手段：短剣

※その他は姉崎士長を星5としての想定評価

コミ力：★★★★☆☆☆☆☆☆

人間性：★★★★☆☆☆☆☆☆

危険度：★★☆☆☆☆☆☆☆☆

備考

戦闘においてベアキラーPT内では見劣りしてしまうが、弱くはなく他の隊員より強い。

特に攻撃の受け流し能力と立体的な攻撃、及び全体を考えた戦闘が可能。

かつて実践的な場所で武術の修練の経験有。

口調から言葉を素直に受け取りにくいが、言っている事はまともな事が多い。

当初偽装しており、見た目よりも切れる人材

【村上　紗季】

※戦闘力は中村3尉を星5としての想定評価

攻撃力：★★★★★★★★☆☆

防御力：★★★★★☆☆☆☆☆

機動力：★★★★★★☆☆☆☆

判断力：★★☆☆☆☆☆☆☆☆

攻撃手段：薙刀

※その他は姉崎士長を星5としての想定評価

コミ力：★★★★★★★★☆☆

人間性：★★★★★★☆☆☆☆

危険度：★★★☆☆☆☆☆☆☆

備考

薙刀の特性を活かして、連撃を相手に叩き込むことを得意としている。

ベアキラーと異なり1激に関しては弱い為、防御力が高い相手は不得手としている。

また、背景の影響で対面している相手には強いがサバイバル状態のような戦闘は不得手。

実家が薙刀の道場。

快活で気持ちをストレートに伝えてくる為、全体の士気を上げる事が可能。

考えるよりも動く方が性に合っているタイプで、作戦立案等には不向き。

ベアキラーPTの前には問題のあるPTに属していた。

その為、スパイ疑惑はあるが本人たちからの進言がある為可能性は低いと考えられている。

【宮川　樹里香】

※戦闘力は中村3尉を星5としての想定評価

攻撃力：★★★★★★★★★★

防御力：★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

機動力：★★★☆☆☆☆☆☆☆

判断力：★★★☆☆☆☆☆☆☆

攻撃手段：弓矢、脇差、魔法

※その他は姉崎士長を星5としての想定評価

コミ力：★★★★☆☆☆☆☆☆

人間性：★★★★★★☆☆☆☆

危険度：★★★☆☆☆☆☆☆☆

備考

弓を用いた攻撃を主力としている。

ベアキラーが魔法を教えたところ、矢のタイプに発展し弓に番えて攻撃を行う場合の破壊力はベアキラーをしのぐ。

反面脇差の扱いはそこまでではない為、懐に入られると弱い。

クマを単体で討伐可能。

弓においては的よりも動く物を狙う方が得意らしくとても活き活きとしている。

実家が弓の道場。

村上紗季とは学生時代から交友関係がある。

彼女と反対に論理的な思考で落ち着いた性格をしている。

ベアキラーPTの前には問題のあるPTに属していた。

その為、スパイ疑惑はあるが本人たちからの進言がある為可能性は低いと考えられている。

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「……色々と突っ込みたいところはあるけれど、宮川がアッキーよりも攻撃力が高いってマジ？」

「信じられないだろうけど、魔法と併せた場合にはそうなる」

タマは少しの間悩んだけれど、晴れ晴れとした顔に戻る。

あ、コレは思考を放棄したな……

気持ちはわかるけど。

「資料とした際には全体的にいいと思うんだけど……私ってそんなに危険？」

「悪い、そこ切り離すように修正する」

タマが車に乗っている時をイメージして書いてしまったので、ある程度は正しかったりもする。