突き抜ける青空(15分間でカクヨムバトル)

over extended.

「見せてみろ」

「うん」

　頭の回路。脳の後ろ。脳幹にあたる部分が、電子化していた。

「ここだけが機械なの、わたし」

「つらくないか、アンドロイドは」

「と言っても、ほとんど人間と同じなんだよね。脳機能の不具合を直すために脳幹が電子化したってだけだし。他の身体は普通に人間だし」

　回路を少しだけ、組み換える。

「まだ重たくて微妙な感じは、あるか？」

「ううん。直った。ありがと」

「やっぱり指環、やめとくか？」

「ううん。付ける。あなたがくれたものだから。指環にわたしの身体を合わせるわ」

「そっか」

「だから、これからもわたしの脳幹のメンテナンス。よろしくお願いします」

「ぜひとも。よろこんで」

「こどもは何人ほしい？」

「気が早えよ」

「アンドロイドですから」