&α
駆け去っていく彼女。
泣いていたのか。
わるいことをしてしまった。最初から、告白される前に逃げるべきだったのか。いや。それよりも前。親切にするべきですら、なかったのかもしれない。
心のじんじんする感触。すでになくなっている。
「こんなものか」
好きでもない人間との初恋は。
終わった。
「いや。違うな」
好きだったからこそ、振られて心がいたむのかもしれない。
「まあ、しかたないか」
仕事柄、そういう色恋沙汰をどうこうできるわけてもない。
彼女はアンドロイドで。
自分は人間。
俺が作る側で。
彼女は作られる側。
この差は、永遠に埋まらない。
それでも。
「くそっ」
走り出した。
やっぱり。
だめか。
彼女。
こちらを向く目が。表情が。
「うおっ」
彼女。突っ込んできた。支えきれず。倒れる。
視界。
「やっぱり好き。好きです。わたし。好きです。あなたのことが」
「俺もだ」
突き抜けるような、青空。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます