第33話 おまけエピソード【お胸】




 お昼を食べ終え、教室に戻る最中のことだ。


「そういえば」


 思い出したように笹倉が呟く。


「なに?」


「わたしあのあと、わりと真剣にお胸を大きくする努力をしていたのです」


「……なんで」


「巨乳じゃないと言われたから」


「うっ」


 そういえば、そんなことを言ったような気もする。咄嗟に出てきた言葉だから全然気にしてなかった。


「あんまり自信なかったから結構ショックだったんだよね」


「それは、ごめんなさい」


「優くんは大きい方が好きなのかなぁ、とか考えてた」


「そりゃまあ、ないよりはね」


「むう」


 俺が言うと、笹倉は頬を膨らませる。じとりとこちらを見つめる瞳はえらく恨めしそうだ。


「まあでもいいの」


「?」


 笹倉はにこりと笑って俺に耳打ちする。


「おかげで、ちょっと大きくなったから」


「なにッ!?」


「夏のお披露目を楽しみにしていてください」


 ふふふ、と木乃香は不敵に笑った。

 まさか、気にしてずっと何か努力を続けていたというのか?

 笹倉木乃香、恐るべし。

 ……俺も、筋トレとかしようかな。

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クラスで一番可愛い女子から告白されたけど、信用できないから断った。 白玉ぜんざい @hu__go

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