第2話
その後何もなく学校が終わり家に帰る。
彼女言った意味は何だったのだろうか、「君が見た夢は本物」だとしたら、幸雄は自殺するのか?いやでも、今日もいつもみたいに元気だったし、自殺する理由なんてなさそうだし、ただの冷やかしだろうか。
だとしたら、僕がいつもと違うおかしな夢を見たとわかったのだろうか。
深く考えているうちに、空はすっかり暗くなていた。
ご飯を食べ、ふろに入り、布団につく。
いつもと同じことを繰り返しているはずなのに、彼女の一言でまったく眠れない。
修学旅行の前日や、好きな子の家に行く数分前のようなドキドキが心を埋め尽くし、眼を閉じてもなかなか明日にはならない。
そんなことを考えながら寝返りを何度もしているうちに、携帯のアラームが鳴る
「ピピピ」
いつもの朝は三コールぐらいなってから切るアラームを、今日は一コールがが鳴り終わるまでにきる。
結局朝まで眠れなかった。
カーテンを開けると、今日は青空が一切見えない雲だけの空だった。
「あら今日は起きるのが早いわね」
母親が洗濯した服を置きに部屋に入ってくる。
「眠れなかった」
「珍しい」
母は服を部屋の引き出しに入れ一階に戻って行く。
いつもより早く用意をしたが、結局家を出る時間はいつもと変わらず遅刻ギリギリに出てしまう。
校門の前につくといつもいるはずの幸雄の姿が見えない。彼女の言葉を思い出す。
「ま、まさかね」
独り言をつぶやき、教室に入るとやはり幸雄の姿はない。
彼女の言葉がほんとだとしたらまさか幸雄は自殺したのか。いやきっとたまたま風邪を引いただけだ。そう思った、そう思うしかなかった。
いつもは遅れて教室に入ってくる担任の岡本が時間ぴったりにやってくる。
「みんな、ちゃんと聞いてくれ」
僕は固唾を飲み込む。
「クラスメイトの幸雄君が昨日自殺した」
体中から汗が吹き出し、頭が真っ白になった。
まさかほんとに死ぬなんて。
「すいません、トイレ行ってもいいですか」
席を立ち、教室を出る。
「おえぇぇぇ」
思わずトイレに吐いてしまった。
夢が現実と化す少年 萩野 @hagisann
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