第452話 スカンディナビア帝国編 パート40
私たちは、ビューレイストとファールバウティが王都パステックに戻ってくるのを待つことにした。私は待っている間にサラちゃんが壊した天井を修復することにした。『スカンディナビア城』は一階にはパーティーなどを開催できる大広間や食堂などがある。2階は、会議室や、お城の関係者の部屋などたくさんの部屋があり、3階には王族が住む部屋や謁見の間などがある。
サラちゃんは2階の通路から天井を突き破って、その上にあった謁見の間を破壊し、更に天井を壊してこの城から出て行ったみたいなので、天井の修復だけでなく謁見の間も修復しないといけないのであった。謁見の間にあった玉座は粉々に粉砕されていたので、まずは玉座を作り直すことにした。
モージさんに確認したところ、玉座は黄金でコーティングされていて、細部にはダイヤなど宝飾品が散りばめられていてかなり豪華作りであったらしい。しかしその豪華な玉座は粉々に破壊されていて、サラちゃんがかなり激しく激突したことがわかるのであった。
「ルシスさん、玉座は王の権威を貴族達に見せしめるために豪華な宝飾品が散りばめられていました。しかし、私はそのような玉座を望んではいません。形式的に玉座は必要ですので、質素な感じで作り直してくださって構いません」
モージは遠慮をしているわけではなく、豪華な玉座など必要ないと判断しているのである。しかし、私はお父様が座っていた魔王様の玉座を見たことがある。魔王様の玉座はブラックダイヤモンドと呼ばれる貴重な鉱物を使用して作られていた。漆黒に輝く玉座はまさに魔王様に相応しいと私は感じていた。私はモージが質素な玉座で構わないと言ったが、やはり王である象徴である玉座はそれなりのものでないといけないと思っていた。
「モージさん、玉座は大切な物だと私は思っています。なので、あまり手抜きをした玉座を作ることはできません」
私は自分の思いを素直にモージに伝えた。
「確かにルシスさんの言う通りかもしれません。それならばどのような玉座にするかはルシスさんにお任せします」
「わかりました。私が立派な玉座を作り上げます」
私は、予定を変更して、サラちゃんが突き破った城の修復を先に終わらせて、玉座作りに全精神を集中することにした。ブラックダイヤモンドは貴重なダイヤモンドなので簡単に入手するのは難しいうえ、魔王様と同じ材質を使うのは魔王様に対して失礼ではないかと思い、私は材質のランクを落とすことにした。
私は色々と悩んだ結果、黒翡翠を使用することにした。黒翡翠は厄払い・邪気払いの効果がある翡翠と言われているので、長年続いた忌まわしいしきたりを断ち切るには最適だと思ったのである。私は『アカシックレコード』を使って黒翡翠のありかを検索して、すぐに黒翡翠の採掘に向かった。
「まさか、またここに訪れるとは思ってみませんでした」
黒翡翠が眠るのは、ヘカトンケイルの武器を投げつけ、また灌漑事業の一環としてお世話になったあの山であった。私はヘカトンケイルの無数の武器がつき刺さっているので、この山のことを剣山と呼んでいる。
「ルシスお姉様、剣山に例のブツが眠っているのですね」
小ルシス2号は悪人のように不適な笑みを浮かべながら言った。
「そうです。剣山の地中深くに黒翡翠があるはずです」
「私が地中に潜って黒翡翠を採掘してきます」
「2号ちゃん、その必要はないわ」
『えーーい』
私は手刀に魔力を集めて地面に向かってチョップした。すると地面は底が全く見えないくらいに大きく割れてしまった。
「2号ちゃん、地中に潜るわよ」
私は小ルシス2号を肩に乗せて、地中の奥深くへ向かって行った。
⭐️場面は変わって地底国家になります
「リヴァイアサン、俺たちはこれ以上人界の民の横暴を許すことはできない」
「デスマンさん、落ち着いてください。今回の地底湖の汚染については犯人を確保しました。もう2度とこのようなことが起こらないように、私たち竜人族が監視の目を強めますので、どうか、人界への復讐をだけはお辞めください」
「竜人族が、人界とのトラブルをなくすよう努力をしているのわかっている。しかし、至る所で地底人達の不満は募るばかりだと聞いている。そもそも、俺たちは、神に復讐するために勇者が生まれてくることを長年待っていたのだ。そして、勇者が生まれて15年が経ったのだ。神への復讐そして人界への進出の時期が来たのだと俺たちは考えているのだ」
「勇者様が誕生してもう15年になるのですね。しかし、勇者としても力を発揮できるのは18歳になる時だと聞いています。まだ神と戦うには早いのではないのでしょうか?」
「問題ない。勇者様は地底国家でさまざまの試練を乗り越えて、立派な勇者として成長したと聞いている」
「そうですか。しかし、人界で争いを起こすとなれば私たちも黙って見過ごすわけにはいきません」
「そうだな。でも、いくら竜人族でも勇者に勝てるはずはない」
「そうかもしれませんが、人界の平和を維持するのが、魔王様から与えられた私たちの使命なのです。私たちが勇者に勝てなくても、必ず魔王様が勇者を倒してくださると信じています」
リヴァイアサンは、地底人が人界へ進出するのを食い止めよと説得したが、デスマンはリヴァイアサンの話し合いに応じることはなかったのであった。
⭐️お知らせです。
諸事情によりこの作品を2022年3月まで休載することしました。2022年4月1日から『地底国家編』を再開しますので、よろしくお願いします。
魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。 にんじん太郎 @ninjinmazui
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