にいちゃんとぼくの秘密

はじめに

ぼくは佐伯ルイ。

ぼくには四つ歳上のにいちゃんがいる。

信じてもらえないだろうし、大っぴらにいうようなことではないけれど、にいちゃんとぼくは性的な行為を共有している。

もちろんお互いに、それは倫理的に間違ったことだと、超えてはいけなかった一線だと認識してはいるけれど。それでも、もう後戻りできないところまで、お互いに欲し合ってしまっている。

こんなことを事実だと公言したところで、虚言や妄想だと嗤われるだろうし、仮に信じてもらえたところで非難の対象にしかならないことはわかっているので、インモラルなフィクションだと思って読んでもらえたらと思う。