空飛ぶ乳歯達(140字小説)
塩塩塩
空飛ぶ乳歯達
男は慌てていた「乳歯が帰巣本能を持ち、口の中へ戻ろうとしているのです」
空には乳歯の群れが男を探し飛んでいた。
「うわ」
乳歯に見つかった男は観念して口を開けた。
乳歯はそこで男の口に永久歯がある事に気付いた。
帰る場所は無いのだ。
天を仰ぎ男は言った「私達も同じですよ」
私は茶番だと思った。
空飛ぶ乳歯達(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t
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