ポイント制会員制クラブ

水谷一志

第1話 ポイント制会員制クラブ

 この世界には、とある会員制クラブが存在する。

さて、その会員制クラブの正体とは?


 「俺たちって、選ばれてるよな」

あるクラブの会員がそう話す。

「まあそうとも言えるし、そうでないとも言えるな……。所詮俺ら偉いヤツの駒とも言えるぜ?」

「まあでもこのクラブ、中身はほとんど知られてないし、やっぱり選ばれてるんじゃね?」

「まあな……」


 ……色々話をした結果、やっぱりクラブ会員は選ばれている、そういう結論に達したようだ。


 しかしこのクラブ会員、最近はあまり仲が良くない。

昔から会員は「赤い組」、「青い組」に分かれて、議論を重ねてきた。

それは有意義な議論だったのだが……、最近はどうやらもめているようだ。


 「ってか青い組さんよお、お前ら金巻き上げようとし過ぎなんだよ!」

「赤い組だって他のヤツらを軽蔑し過ぎなんだよ!自分らだけ選ばれてる気か!?」

「うるせえなあ!」


 ……こう言ってお互いがお互いを攻撃する始末。挙げ句の果てに暴力沙汰だ。

これは本来のクラブの趣旨に反するのではないだろうか?


 「さあいよいよどっちが上か決める時だな!」

これはたまに回ってくるイベント。「赤い組」、「青い組」、さあ今回はどちらが勝つのか?


 しかし……。

「ってか俺らの赤い組のリーダー、体調大丈夫なのかよ?」

「俺らの青い組のリーダー、頭おかしいんじゃねえの?」

「……決めた!俺組変えるわ!」

「俺も!」

『ちょっと待ってください!組を変えるのはクラブのご法度……』

「知らねえよ!」

『それはクラブの支持者への裏切り行為です!それにポイント制会員制クラブの存続にも関わります!』

「別に一人ぐらいポイントが欠けてもいいんじゃねえの?」

『処罰の対象になりますよ』

「かまうもんか!」


 「【今年のアメリカ大統領選挙】、【不誠実な選挙人】が5人も出ましたね!」

「それだけ、アメリカ社会の分断を表しているということだと思います」 (終)

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ポイント制会員制クラブ 水谷一志 @baker_km

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