ポイント制会員制クラブ
水谷一志
第1話 ポイント制会員制クラブ
一
この世界には、とある会員制クラブが存在する。
さて、その会員制クラブの正体とは?
二
「俺たちって、選ばれてるよな」
あるクラブの会員がそう話す。
「まあそうとも言えるし、そうでないとも言えるな……。所詮俺ら偉いヤツの駒とも言えるぜ?」
「まあでもこのクラブ、中身はほとんど知られてないし、やっぱり選ばれてるんじゃね?」
「まあな……」
……色々話をした結果、やっぱりクラブ会員は選ばれている、そういう結論に達したようだ。
三
しかしこのクラブ会員、最近はあまり仲が良くない。
昔から会員は「赤い組」、「青い組」に分かれて、議論を重ねてきた。
それは有意義な議論だったのだが……、最近はどうやらもめているようだ。
「ってか青い組さんよお、お前ら金巻き上げようとし過ぎなんだよ!」
「赤い組だって他のヤツらを軽蔑し過ぎなんだよ!自分らだけ選ばれてる気か!?」
「うるせえなあ!」
……こう言ってお互いがお互いを攻撃する始末。挙げ句の果てに暴力沙汰だ。
これは本来のクラブの趣旨に反するのではないだろうか?
四
「さあいよいよどっちが上か決める時だな!」
これはたまに回ってくるイベント。「赤い組」、「青い組」、さあ今回はどちらが勝つのか?
しかし……。
「ってか俺らの赤い組のリーダー、体調大丈夫なのかよ?」
「俺らの青い組のリーダー、頭おかしいんじゃねえの?」
「……決めた!俺組変えるわ!」
「俺も!」
『ちょっと待ってください!組を変えるのはクラブのご法度……』
「知らねえよ!」
『それはクラブの支持者への裏切り行為です!それにポイント制会員制クラブの存続にも関わります!』
「別に一人ぐらいポイントが欠けてもいいんじゃねえの?」
『処罰の対象になりますよ』
「かまうもんか!」
五
「【今年のアメリカ大統領選挙】、【不誠実な選挙人】が5人も出ましたね!」
「それだけ、アメリカ社会の分断を表しているということだと思います」 (終)
ポイント制会員制クラブ 水谷一志 @baker_km
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