第49話 エピローグ

 少年は、滝にやってきた。

 滝の中から浮かび上がる人影。

 それは少女の姿をしていた。


 水から上がり、岩に座った少女を抱きかかえ支える少年。


「ついに・・見つけたよ」

 少年が少女に囁いた。

「ほんと?・・・よかった」

「都内に住んでいたようだけど、高校は他県だったんだ」

 

 少女の顔色は、明らかに悪い。

 抱きかかえる少年は、暗い表情のままだ。


「もう少し・・もう少しだけ待っていて。きっと彼女を連れてくるから」

「うん・・・ヒロ・・・ありがとう」


 口づけを交わした二人。

 少女は、再び水の中に入っていき見えなくなっていった。


 少年は、その滝壺から離れていった。


 歩いている少年の袖口から・裾から、さらさらと黒い灰のようなものが落ちていく。

 少しずつ、少年の姿は変わっていく。段々と大きく・・



 少年の目には決意の色が見て取れた。



(了)



C'è continuazione di questa storia .

There is continuation of this story.

このストーリーは続きます。


『ウンディーヌ』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054922411952








数年後、榊怜子と少年は再会します。

それは、また別のお話。

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交差点にいる天使(連載版) 〜 駅前の交差点での奇跡 三枝 優 @7487sakuya

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