若さもない
白川津 中々
■
君から若さをとったら何も残らないよ。
学生時分、教授に言われた事を最近よく思い返す。当時は馬鹿めと聞く耳持たなかったが、今にして思えば金言として襟を正すべきであった。跳ねっ返り、根拠のない自信だけを取り柄に生きてきた結果がこれである。救い難い。
空白の経歴が頭を悩ます。何か書かなくては。何を書く。何もしてこなかった人間が、いったい何を示すのだ。
大学卒業後、無学な俺は社会に出る事もできずに今まで生きてきた。常識もマナーも、勤めた会社もなく、歳を取った。
君から若さをとったら何も残らないよ。
その言葉を噛みしめる。しかし、もう遅い。何も残らなかった俺は、ただの空っぽだ。
若さもない 白川津 中々 @taka1212384
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