雪とともに現れた彼は雪とともに消え、恋しさだけが残った。雪に降られて立ち往生する主人公を助ける彼。だが彼は、雪解けとともに主人公の前から姿を消してしまう――主人公が、忘れよう忘れようとしているのに、そこかしこに彼との思い出のかけらを見つけてしまい、雪が降ったのに現れてくれない彼を待つ姿が切なく、ほろ苦さを思い起こされました。
季節外れの異常気象は、心の中に封じていた記憶や思いを呼び覚ますものです。かつての淡く切ない雪のような思い出を。一つ一つに作品の世界観やキャラクターが詰まっているように思えるほど秀逸な表現が際立ちました。淡くて切なくてきれいで温かい——素敵な雪。わずか100.1秒で溶け切る前にご鑑賞ください。