おおかみなんかこわくない…。

宇佐美真里

おおかみなんかこわくない…。

もりのみんなに こわがられていた おおかみ

でも もっとこわいもの やってきた おおかみなんか こわくない


みみにしたやさしいことば しんじて ちかづいた どうぶつたち

みりょくてきなもの ちらつかせる そのもの じつは かりうど

てのなかの くだものは じつは はりぼて なかはくうどう


しんじた やさしいことば あいは みせかけ まやかし

おりにいれ てきとうに やさしく ならべられる ことば

きづいて きずついて にげるもの にげおおせても きずはのこり

きづかぬものは まやかしを ごはんだと あたえられ つづける

まやかしは たべた つもり あくまで つもり たべてない なにも


ごじまんの これくしょん

かりうどは きょうも ふやしに かりにいく 

そのかず じまんするだけの これくしょん

みつけに もりへ かりにいく

あいを やさしさを やすらぎを あたえるだなんて みんな うそ

つれていかれるのは つめたく せまい おりのなか

 

みんな にげろ もりのみんな にげろ にげろ

おおかみなんか こわくない こわいのは かりうど

それは にんげん…



-了-

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