ハレとケ

せつい

ハレとケと人生の折り返し

「ハレ」

人生を過ごすうちに訪れる、節目など改まった特別な時間。「晴れの日」など、主にめでたい時間のことを指す。


「ケ」

「ハレ」とは対比的な「日常」。人生の内のほとんどはこの「ケ」であると思われる。この「日常」が送れなくなることは「ケガレ」。


私は人生も半ばを過ぎたと思う。36歳。

「ハレ」はもうほとんど経験することはなくなった。

18歳で日本屈指の田舎から都市部の大学へ。

20代は希望を持って薄給はくきゅうの長時間労働に従事し、それなりに楽しかったが、気がつけば生活費のために積み重なった借金と、不摂生を極めただらしない身体。

お金がないのでロクに実家に帰れず、病気の母に悲しい思いをさせたまま天国へと見送った。

30代は仕事を変え、更にがむしゃらに働いてきた。

借金は少しずつ減っているが、貯金はちっとも貯まらない。

こだわりの強い真面目すぎる性格のせいか、人とぶつかることも増え、今は心底人とからむのが面倒だと感じ始めている。

恋愛も避け、結婚、子供も諦めの境地が今の心境。

ただ、少ないが私のことを気にかけてくれる気の置けない古くからの友人もいるし、無性に話したくなったら、笑いながら話を聞いてくれる優しい大学の先輩もいる。

最近は誰にも邪魔されない一人きりの生活で、インターネットで思う存分アニメを見たり、猫を飼うことを想像したり、人生で一番充実しているんじゃないかとさえ感じたりもする。

もう人生の折り返しという事に、絶望に似た気持ちにもなるが、これからの人生をどう過ごしていくべきか、私はどうしたいのか、悶々もんもんと考える日々をすごしている。

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ハレとケ せつい @fumie_6

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