気がついた時には、もう手遅れです。
物語は魔女のひとり語りで綴られています。軽妙な語り口に引き込まれていくと、あなたも仰天することでしょう。 気になる方は是非、1度と言わず何度でも読んでみてください。あなたの時間の許す限り。
これは魔女とアナタのお話。――――5分、たったの5分をこの作品の為に費やすだけで誰かが救われるんです。そんな不思議なお話。いや、5分と言わず繰り返し読んで10分15分20分と時間を投げ銭して下さい!そう! 時間の投げ銭なんです!!
どうにも、話が見えてこない。よく分からないけどなんだか不気味で落ち着かない。なのに気になる、ついつい付き合わされてしまう。そして明かされる彼女の目的。まるで手品を見ているような気持になるお話です。そしてつい何度も読みたくなるお話かも知れません。ぜひあなたも、彼女のお話に少しだけ耳を傾けてみてください。
面白い小説の条件の一つに、読み手が引き込まれるというポイントがあるかと思います。人は、自分が共感できる話、自分につながりを持つ話に、より惹かれる傾向にあると思います。 なんといいますか……オチが分かった瞬間に、強制的に小説の世界観につなぎ留められます。はい。その手口が鮮やかな作品でございます。 私はこの手の短編、とても好きです。 有意義な五分間でした。けして無駄にはなりません。
多くの言葉は必要ありません。とにかく、ご一読ください。こんなにも短く、美しく、意外性抜群のどんでん返しを、私は見たことがありません。最後にあなたは、きっとこう思うはずです。「喜んで」と。
淡々とと語られる過去。過去であるがために、読者もただ、淡々と読み続けざるを得ない「魔力」がある。表しがたい不穏さを感じつつも、この先の話の展開に想像を膨らませながら大人しく読む。そんな態度が、ラストの真実に結びつき、非常に驚かされました。「よくできている……!」と。
物語は魔女が語りかけてくる形で進みます。たくみな話術にいつの間にか聞き入ってしまうでしょう。こんな形のどんでん返しがあるとは。思いもよらないラストです。