03 光の国の話



 私は結婚式場に立っていた。


 周りにはたくさんの人達が集っている。


 当然だろう、色々あったが身分違いの恋は実りとうとう、結婚式が催されるのだから。


 婚姻の儀式はつつがなく行われた。

 正式な司祭が祝福の言葉を述べる。


 夫となる男が微笑み、妻となる私ははにかんだ。


 最期まで言葉を述べ終えた司祭が、夫に向かって「夫となる事を誓います」と言った。


 夫となる男は頷いた。


 今度は私の名前を述べて、「妻となる事を誓います」と言う。


 私もうなずいた。


 盛大な歓声が沸き起こった。


 その中には、探検家の少女の声や、夫となる男の弟の姿もある。


 集った人々は、国を導く王子の新しい人生の門出に向けて、いつまでもいつまでも、大きな拍手を送った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

王子サマ、暗殺しにきまし…えっ妻になれ? 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ