読後、何かで見たスペインのトマト投げ祭りを連想しました。
凄惨だけれど、どこまでも陽気で、陽気なんだだけれども、その内に狂気を秘めているような……。
作品全体における精緻な構成と生き生きし過ぎなくらい(笑)の登場人物が、強烈な存在感を放つ、余りにも奇天烈な雰囲気。
にも関わらず一話一話の余韻は至極淡白で……。
この作者様の作風に浸りすぎると本当に自分は小説を読んでいたのか、それとも夢幻でも見ていたのかと己の常識すら疑いたくなるような、自身の価値観すら一変させるような素晴らしい作品でした。
また、短編集とのことですが是非とも、新たな呪いの犠牲者たちを見ることができれば幸いです。