いつかどこかで逢いましょう そう遠くない未来の端々で

数奇な能力を持って生まれた二人の運命のお話。

始まりのディストピア感を遥かに置き去りにしてぐんぐんと未来へと物語は進んでいきます。孤独のはずの二人の邂逅と別れはとても穏やかで、むしろ祝祭感すら感じるようなお話の運びにとても惹きつけられます。この二人はお互いの存在があるからこそ祝福されているのだと感じます。

アムルの一人称語りで物語は進んでいくのですが、不死という性質を持つアムルの語りの時間の捉え方や2人の別れの素っ気なさは確かにかくあるだろうなぁという鋭い説得力があって、その洞察を物語の構成同様にものすごい理知的に感じました。

エンディングもものすごいいいんです。

壮大でいて祝福されている、とっても美しくていい物語でした。

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