過去を背負う男(140字小説)
塩塩塩
過去を背負う男
男の背中には黒い霧がかかっていた。
「私は暗い過去を背負っているのです」
そして男は暗い過去の中に身を潜めた。
翌日、男の背中の霧は白くなっていた。
「良い過去があったので鞍替えしたのですよ」
辺りには色とりどりの霧が落ちていた。
男はヤドカリ式に背負う過去を変えていたのだ。
男は軽薄だった。
過去を背負う男(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t
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