読書案内
[1] ルイス・キャロル、河合祥一郎訳『不思議の国のアリス』、角川書店、2010 年。
管見の限り最も優れた『アリス』の翻訳。角川文庫のものはシックな表紙でおしゃれ。角川つばさ文庫のものは okama による挿絵がたくさん入っていて可愛い。ただし、角川の「100 年後も読まれる名作」シリーズに収録されているものは抄訳なので注意。
[2] 宗宮喜代子『ルイス・キャロルの意味論』、大修館書店、2001 年。
『アリス』を言語学・意味論的な側面から、哲学的な問題にしっかり踏み込みつつ読解する稀有な書物。日本語の『アリス』関連書の中でも特に興味深く、優れている。
[3] 八木沢敬『『不思議の国のアリス』の分析哲学』、講談社、2016 年。
講談社メチエから分析哲学の入門書シリーズを刊行している著者が『アリス』を題材に哲学的な問題を紹介している。
[4] Gardner, Martin, *The Annotated Alice: 150th Anniversary Deluxe Edition*, expanded and updated by Mark Burstein, W. W. Norton, 2015(邦訳:高山宏訳『詳注アリス』、亜紀書房、2019 年)。
「アリス・マニアの最終兵器」と帯に記される、夥しい数の註が付された『アリス』。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』とを含み、日本語訳では全部で 600 ページ以上にもなる巨大な本。
[5] デイヴィッド・アームストロング、秋葉剛史訳『現代普遍論争入門』、春秋社、2013 年。
この感想文で扱ったような哲学的問題について完結に纏められている。
読書感想文『不思議の国のアリス』――あるいは「アリスの冒険」における「〈アリス〉への冒険」について 白井惣七 @s_shirai
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