ツヴァイプリンツェ

　やんちゃで誰にも捕らわれない奔放さを持つフィースフォリアの姫フィルリアと、マイペースで誰にも流されない冷静さを持つグレイクローシアの姫クレシア。二人は相反するように見えるが、国をまたいで遊ぶほどの親友だった。
　ある日、いつも通りに城を抜け出し、クレシアを攫って街に出ていたフィルリアだが、グレイクローシアの城に戻ると何やら騒がしい。そして、フィルリアが帰ろうとしたその時、その知らせは届けられた。

　フィースフォリアの王族が全員殺され、国が陥落した、と。

　偶然にもグレイクローシアに来ていたフィルリアだけはその手を免れた。しかし、この一連の事件には違和感がありすぎる。フィルリアはクレシアの後押しもあり、二人でこっそりとグレイクローシアの城を抜け出し、『冒険者』として身分を偽り、フィースフ…続きを読む