補足と紹介

 『ダンジョンマスターはおとぎばなしを夢みてる』は、ダンジョンがある世界のお話です。

(旧題『大失敗ファンブルばかりなので冒険者は諦めてダンジョンマスター契約したけど契約書は読んでません』)


 ダンジョンというものがある世界で、ダンジョン探索をする冒険者に憧れた田舎の少女が、自分の好きなものを追いかけてやりたいことを見付ける話です。


 ダンジョンには冒険者が集まるので、冒険者向けのお店が集まり、そして街として栄えます。以前は冒険者同士の揉め事トラブルが多く治安も悪かったのですが、冒険者ギルドが積極的に介入してきたことで、今は治安が良くなっています。

 今では、ダンジョンの入り口エントランスは冒険者ギルドが管理しています。ギルドで冒険者講習をしっかり受けて冒険者登録を行うことで発行される冒険者タグがないと、ダンジョン探索自体ができません。

 ダンジョン探索をしたい場合も、冒険者ギルドに申請をして、予約を入れることでようやく探索できるようになります。大抵のダンジョン街で、ダンジョン探索は二日から三日待つことになるようです。


 ここまでは、この世界の一般的な話。


 これ以降には、本編の中盤〜後半にしか出てこない情報も含まれます。




ダンジョン:

 不思議なところ。

 ダンジョンでしか手に入らないマジックアイテムがあるので、冒険者たちはそれを手に入れるために、ダンジョン探索を行う。




メテオール:

 百五十年以上前に活動を停止したダンジョン街。もともと山間やまあいの辺鄙なところにあったので、ダンジョンがなくなった途端に各種施設が撤退し、人がいなくなって小さな村になってしまっていた。

 小さな、静かな村だったメテオールだったけれど、ある日突然ダンジョンが活動を再開する。ダンジョンを管理するために冒険者ギルドがやってきて、冒険者も村を訪れるようになり、今ではダンジョン街と呼んでも良いほどに村で暮らす人が増えた。




ダンジョンマスター:

 ダンジョンマスターは、ダンジョンと契約して、ダンジョンの運営・管理業務を行う者である。

 ダンジョンマスターになる際に長い契約書と利用規約を読まされるけど、読まなくてもサインはできる。サインした時点で、契約書と利用規約には同意したものと見做される。


 ダンジョンは、ダンジョンマスターのMPマナを消費して、冒険者を受け入れる。冒険者がダンジョンを探索すると、魔水晶や魔虹石といったMPマナの結晶が生まれる。それらを集めるのが、ダンジョンの目的らしい。

 魔水晶や魔虹石を使うと、ダンジョンを強化することができる。手っ取り早いのは召喚ガチャで、魔水晶や魔虹石を使って、ダンジョンを設計デザインするのに欠かせない素材オブジェクトが手に入る。


 ギルド通貨に使われている偽造防止の技術は元はダンジョン由来のもの。そのため、ギルド通貨にはMPマナが含まれている。

 そのギルド通貨のMPマナを使って、魔虹石を錬成することができる。

 平たく言えば課金要素。




エメ:

 メテオールの冒険者ギルドで働いている。女。このお話の時点では十七歳。


 暗くくすんだ小麦色の髪と暗い緑色の瞳で、母親からは「もう少し明るい色なら華やかだったのに」と残念がられて育った。素朴でいかにも村娘という地味な見た目。

 素直だけれど、流されやすく騙されやすい。


 冒険者ギルドではマップ情報ガイドブックを担当している。マップ情報ガイドブックは、冒険者ギルドが発行しているダンジョンの攻略情報をまとめた冊子で、エメは冒険者から買い取った情報を精査して、冒険者から聞き取り調査を行い、その内容をまとめる仕事をしている。

 子供の頃から、テオドールというレベル100の魔法使いソーサラーダンジョン話おとぎばなしが好きで、テオドールに憧れていた。

 元々はレオノブルやペティラパンという大きなダンジョン街で冒険者をしていた。一般の冒険者の十倍以上のMPマナを持っているが、異常なほどに大失敗ファンブルが発生するために規格外・・・と呼ばれてうまくいかず、冒険者は諦めた。


 実はメテオールのダンジョンマスターをやっていて、一時期は召喚ガチャ依存になって、食費を切り詰めて魔虹石に注ぎ込んでいる状態だった。今はアダンに課金の限度額リミットを設定されてしまったので、食費を切り詰めるようなことはやらなくなった。でも、まだ少し依存気味。

 召喚ガチャに依存していた分、アダンに依存気味になっている。


 元々、自由恋愛や恋愛結婚というものを知らない。

 このお話の時点で、田舎を出てだいぶ経つけれど、自分がそれを選択できるということもよくわかっていないし、まるっきり自覚はない。




アダン:

 メテオールで冒険者をやっている。男。このお話の時点では、多分二十五歳。


 真っ黒の髪と琥珀色の瞳。ひょろりとした体つきの猫背。ただ見ているだけでまるで睨んでいるような目付きの悪さ。ついでに柄も悪く、しょっちゅう舌打ちをする。


 昼間は人が多くて嫌だと言って、毎日夜に探索をしている。過去に何か嫌なことがあったらしく、パーティは組まない。一人ソロ特化の前衛魔法使いソーサラー


 実は百五十年前のダンジョンマスター。そのことを知っている人間は、エメだけ。

 百五十年前は治安が悪く殺伐としていたので、いろいろ嫌な思い出が多い。そんな暮らしをしていたので、基本的に発想の治安が悪い。

 なので、今の平和さになかなか馴染めないでいる。


 ダンジョンマスターだった頃の知識ノウハウを活かして、契約や利用規約を違反しない範囲でエメを助けている。


 このお話の時点で、エメへの感情は自覚はしているけれど、持て余し気味。

 そもそも他人を信用することにも慣れてないし、何かを大事にすることにも慣れていないし、自分が幸せであることに慣れてない。面倒な人。




 この番外編短編を読んで、「アダンとエメの話が知りたい!」って思った方は、本編の『第二十八話 エメは元ダンジョンマスターに出会った』辺りからお読みください。アダンの本格登場はそれ以降です。


本編表紙: https://kakuyomu.jp/works/1177354054898472387

本編第二十八話: https://kakuyomu.jp/works/1177354054898472387/episodes/1177354054917982152

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ダンジョンマスターは菓子を食べる くれは @kurehaa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ