犯人の説教・魔王会議終

詠唱破棄のエクスプロージョン。

威力が減り、コントロールが難しくなり、魔力の消費が激しくなる。

エクスプロージョンは元からとてつもない魔力を使う魔法だ。

無詠唱なんてやったら、人間なら魔力不足で死んでしまうだろう。

俺がそれをできるのはユグのおかげである。

ユグの制御ナシならば暴走している可能性だってある。

魔力が増えたというのもある。

伝説能力レジェンドスキルに覚醒したのは魔力が増える能力もあったようだ。

エクスプロージョンを2発撃っても大丈夫にはなっているものだ。

そこまで強くなれるのだ。

ユグ様様である。



〈ほめても何も出ないぞ〉



期待してるわけじゃないからねー


まあそれは置いときまして。



「阿保が!何やってるんじゃ!」

「ほんと阿保よね!詠唱破棄すればいいもんじゃないのよ!」

「カハッ」

「なんだスサノオ、生きていたのか」

「いぎでるば」

「殺す気でやったんだが」

「ぶざげんがーーー!」

「何言ってんのかわからねぇ」

「「反省しろ」」

「いだい!」


殴られた。


「だが、スサノオを怒りたい気持ちもわかる。スサノオは『魔物達の楽園』へと追放する。これでいいか?」

「むむむ」

「『魔物達の楽園』はいまちょっと危険だよ?アナディルカ――空間属性の竜王をやれる魔物がいるからね」

「スサノオだしいいだろ」



知らん間にスサノオの『魔物達の楽園』送りが決まった。

スサノオといえば、地上に追放された後八岐大蛇ヤマタノオロチを倒したことで有名だ。

もしかしたら倒してくれるかもしれない。





ちなみに空間属性の竜王とは。


アナディルカの種族は竜王という種族の中でも特に珍しい空間属性である。

この世界にも存在する5代元素。

炎と水と風と土。

そして、空間。


その枠組みを抜けて光と闇属性があるがその話はまた今度。


空間は一番強い属性であり、進化すると次元属性になる。

アニメとかで、空間をゆがめたりする技があるがそれを可能な属性。

『空間転移』とかはこの原理を使用しているのだ。

その属性を支配する竜王がアナディルカ。

正確にはアナディルカの親である。

親が健在の場合竜王というのは弱体化する。

親を殺し、力を奪うことで本物の竜王として存在できるのだ。


アナディルカは親を殺すのが嫌で嫌で、魔物達の楽園まで逃げて行ったという。

魔物達の楽園に逃げ込んだ後、真黒な化け物に呪いをかけられ、体が真っ黒になり消える……というところでネツに白魔法の『正常化レスト』をかけてもらったそうだ。


「『正常化レスト』ね」

「どうしたの?」

「いや、なんでもない」


それは、あるゲームの魔法にもあったはず。

そこから来ているのかもしれない。

なんせ俺はそのゲームの最新のやつを4ループしていま追加コンテンツをやってる時だったから知ってるものだ。


久しぶりにやりたくなった。

「帰ったら開発部門に即効行って作ってもらおう」

「無茶ぶりはやめなよ?」

なぜ俺が開発部門に行く=無茶ぶりするとカウントされているのだろうか。

解せぬ。



一件落着

龍魔帝国ドラゴワールドに帰った俺は開発部門に行こうとして


「まだ魔王会議が終わってないでしょ?」


ネツに引き留められた。



「魔王たちの話を聞き流していく所存だ。よろしく」

「思いっきりスルー宣言したね」


ははははは


「アルカと」

「イルカ」


いつの間に練習したのか息ぴったりだ。


そうして魔王会議は始まったが、あと戦力報告しか残ってない。



グレイシアのところは巨人族の国なので必然的に物理攻撃がデカいものばかリ。

ルーラの場合部下がいない。ルーラ一人の力が強いため、領域内であれば最強だ。

ディガロは鬼の兵隊を持っているらしく、兵士の質では龍魔帝国ドラゴワールドより少し上。

だが、とびぬけた戦闘能力を持つ者はあまりいなく、数でも龍魔帝国ドラゴワールドに劣るらしい。

ブルは意外なことに自分の戦力を把握していないらしい。

は?


意味が解らない。

知っとけよ。


で、スラガだが魔物達の楽園の魔物ほとんどが彼の配下だそうだ。

「ちなみに、あの獣の報告は?」

「まったくわかっていない。いま全力で探している最中だ」

「ふむ……」


アナディルカを殺そうとした獣は見つかっていないようだ。

見つけたうえで、討伐しようという時はルーフィでも送ってやろう。

なんだかんだ言って、ルーフィはアナディルカのことを好きらしいしな。


「「「「「で、ネツはどうなんだ?」」」」」


すげえ、ハモった!


「ん~?うちはね~新たに5人ぐらいいいやつが入ってね~3人はそこのマークとアルカとイルカなんだけど、もう2人のうち1人はいま開発部門に属してて……」

「は?聞いてないぞ?」

「最近はものづくりに没頭しすぎて全く出てこないからね」

「なんだそれ、過労死するぞワーカホリックかよ」

「ワーカなんとかは知らないけど過労死はまずいね」

全く聞いてないことを言われてチョット混乱する。


「にしてもなんで教えてくれなかったんだよ!」

「魔王会議終わったら教えるつもりだったんだよ!」

「名前は何だよ、てか今教えろ」

「ん、野咲球太っていうんだけど、キュウタ・ノザキって言った方がいい?」

「おいおい」


その名前に冷静さを一瞬失う。

その子の世界では独特の名前。

やっぱりいたんだな。


転生者もしくは、転移者。

日本人。

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転生でなぜ鬼になる? 油布 @netu

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