皇都第一中学校の生徒会選挙12

「今日、私を連れて行ったのはあの話し合いをするためですか?」

 秀二の家に帰ってきた後、千代はそう秀二に尋ねた。

「逆に聞くがもし、そうだったらなんだ?」

「もし、そうだったなら……」

 千代は初めて会った時の秀二に対する印象と今の印象を比べてみる。

 言っておくが千代は今でも秀二のことは好きではない。冷酷でどんな時でも無表情というのが千代の秀二に対する印象だ。

 だが、今日の秀二の行動の意味、そして目的を推測すると……。

「いえ、何でもありません。私にはまだまだ分かりません」

 千代は考えるのをやめた。今考えるべき事じゃない。今はもっと重要なことがある。

「この選挙をどうにかしないと……」

「そうだな。千代はいったいどうする?」

 千代の独り言に対して秀二は試すように聞いた。

「相手の親が誰かは知らんが相当大きな力を持つ人物らしい。千代のような一生徒が立ち向かうのは難しいのだろう。だからと言って俺の力を借りるか?」

「いえ、結構です」

「それでいい。まあ、もっとじっくり考えてみろ」

 この日、千代はずっと選挙をどうするのかを考えていた。千代の目的、そのためにはどうすればいいのか。千代なりに今まで考えたこともなかった方法を。


 ◇


 次の日の夜、千代は今日の授業である約束していた美咲を連れて道を歩いていた。

「ええと……千代ちゃん、本気?」

「もちろん」

 そう言うと同時に千代は足を止めた。目的地に着いたからだ。その目的地とは――

「職員室や校長室に忍び込んで証拠をおさえようなんて……」

 そう、学校である。深夜の学校に忍び込み賄賂や不正の証拠を探そうというのだ。

「いや?」

「違うよ、驚いただけ。千代ちゃん真面目だしこんなこと言うとは思ってなかったから。私はなんだかやる気が出てきたよ。悪党を懲らしめてやるぞ~なんてね」

 美咲はどうやらいつもの調子を取り戻しつつあるようだ。

「じゃあ、行くよ!」

「うん!」

 二人は学校の正門を乗り越えた。


 ◇


*この作品はフィクションです。


* * *

まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。

 皇国の清水秀二は毎週土曜日22時ごろに投稿する予定です。

 宿題や課題で忙しく、投稿できないこともあるかと思います。ごめんなさい。


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