皇都第一中学校の生徒会選挙11

千代は考える。一体なぜあのような結果になってしまったのだろうか。

「……生徒を買収したとかですか?」

「それはないな」

「それはないと思うわ」

 千代の発言に二人がそう断言する。

「千代さん、聞いた話だと選挙の結果が発表されたとき、生徒たちもざわついていたのでしょう?ほとんどの生徒は知らなかったと考えるべきだわ。それにあれだけの得票差をつけるにはどれだけの生徒を買収する必要があるかと考えると……。純粋で真面目な生徒も多いし、誰か一人くらい告発してもいいと思うしね」

「そうですね。可能性は低いと思います。となるとおそらく教師を買収したか、圧力をかけたか……。そんなところですかね。あの学校にはどんな大物の子供が来るかわかりませんし。現に陽菜さんの妹さんとかが入学していたわけですし」

 秀二の言葉を聞き、千代はあの日のことを思い出す。そう、あの日から津田は体調不良を理由に休んでいるのだ。

 そのことを話すと二人は選挙の裏で何があったのか、だいたいの予想がついたようだ。

「おそらく津田先生は体調不良で休んでいないわ。前にも言ったけど、その程度じゃあの人、平然と教壇の上に立つわよ」

「おそらく精神的にやられたとみるのが正解ではないでしょうか?おそらく津田先生以外の教師は買収されているか圧力に屈しているはずですし」

 そんな状況を聞き、絶望と言ってもいい状態に千代は陥る。そもそもこの選挙に初めから勝てる見込みはなかったのだと。

「さて千代。今の話を聞いてお前はどうする」

 そんな心境にもかかわらず秀二は千代に聞いてきた。まるでこの状況を逆転する手立てが残っているかのように。

「そう言えば秀二さん、初めて会った時言いましたよね。お前のやり方じゃ変えられないって。正解のやり方があるのですか?」

「正解のやり方なんてものはない。変えられる可能性が高いやり方をするだけだ」

「それって……」

「自分でよく考えることだな」

「話は終わったみたいね」

 秀二と千代が話していた間、ずっと黙っていた陽菜がそう言って席を立つ。

「今日のことは妹にも話しておくわ。あとは若い二人で考えてみなさい」

 陽菜は部屋を出て、三人の話し合いは終わった。


 ◇


 

*この作品はフィクションです。


* * *

まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。

 今週は毎日22時ごろに投稿する予定です。

 宿題や課題で忙しく、投稿できないこともあるかと思います。ごめんなさい。


Twitterを始めました。小説のネタになりそうな話や簡単なイラストなどを投稿しようかと思っています。初めに言っておきますと絵は下手です。中学の美術の成績で5を取ったことがあります。10段階でね‼

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