終章『幸甚』

――そう、今ボクは終わらせる


海水に足をつけた

冷たく涼しいこの感情


貝殻を拾う月雫は愛おしいな

なんでボクは今まで...


拓海は年上の女性の水着を見て

鼻の下を伸ばしている

やっぱりいつもの拓海だ


ボクは今までの事がバカらしく思う

夢は自由だ。

その人が掴みたいと感じた夢があるならば

それに命をかけようとも

努力をすればいい


貝塚は未だに叶えたい夢がないのだろう

言わゆる自由奔放ってことだ


ボクは音楽家以外にも目標を掴んだ

それは

月雫に告白をすること


(君の傍にいさせてほしい)


13年間

幼稚園 小学校 中学校 高校と

一緒にいたのに 好きなのに

一体なぜ告白をしなかったのだろう


死にたいとか思っていた

だけど月雫はそんなボクを笑顔で手招いてた


君達がいなかったらボクは

手遅れだったのかもしれない


誰かの為に生きる人生と

自分の為に生きる人生

そんなん不平等だけど


ボクは救われた

救いの手を貰ったのなら返さなきゃ


清々しい昼間の蒼天を見上げた

おとといよりも日差しが強く感じる

体が軽くなった気分だ


きっと今

月雫に言うべきだと

日差しが言う


月雫の方へと足を運ぶ


ボク:なぁ月雫。ちょっといい?


月雫:いいけど...どうしたの蒼?


ボク:拓海に聞かれたくないからこっちきて


月雫:わかった


今しかない

タイミングは悪くない


月雫:で、どーしたの!蒼。


ボク:実はね...その...


月雫:なによー(笑)そんな顔赤くして


ボク:え?あ、いや...これは


月雫:ん?


ボク:あ〜もう。単刀直入に言うと月雫の事がずっと好きだったんだ付き合って下さい


今ボクの頭の中は真っ白だ

全てを言ってしまったのだから


すると月雫は涙を零し始めた

よく分からなくなり聞いてみることにした


ボク:え...どうしたの?


月雫:.......ん...で.......い...な.......ったの...


ボク:...え?


月雫:なんで早く言わなかったの!!!


ボク:...


月雫:わたし、中2の時に女子達からひどくいじめられてた時に蒼が「やめてよ。ボクの唯一の親友に手出さないで。手出すならボクでストレス発散して」って言ってきた時に恋心芽生えてたんだよ?

恥ずかしくて私が言わずじまいだったけど...


ボク:あの...ボクもなんだ。気付かぬうちに恋してたというか...


月雫:男らしくないぞ!じゃあ...付き合ってるのと同じだね(照)


ボク:うん(照)そうだね!


これで

ボクの自殺願望は消えて新しい夢を持ちました

令和2年 8月20日


【作者からの一言】

どうもこんばんわ皆さん水無月 葵と申します

この度短編小説「天空行きの最終便」を

読んでくださり誠にありがとうございます


このお話は私。水無月 葵の実体験を題材とし

書き下ろしました

内容は多少盛っていますがご了承ください


ちなみに「天空行きの最終便」には

オリジナル曲もあるのですが

未完成なのでお楽しみください

本当にありがとうございました


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈終章『幸甚』the end

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天空行きの最終便 水無月 葵 (みなづき あおい) @s_u_u_u_h

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