あとがきにかえて

 改まって過去の自分の作品を振り返るのは、些か恥ずかしいものだ。


 今作の投稿から一年経過した今、こうして振り返りも兼ねたあとがきを行っているわけである。


 ちなみに少しだけ手も加えた。でも、全体が大きく揺らぐような書き換えは行っていない。

 あくまでも「読みやすくするため」と、変な表現の修正だけだ。


 後になって「こうしておけば」や「ここはもっとこうしたら」といった想いが生まれるのも、また自身が未熟な証拠で、今作もそんな気持ちがぶくぶくと沸いてくるものだった。

 それでも、今作を書いた時には自分にとって渾身の出来だった筈なのだ。それを時が経った今、大きく変えてしまうのは無粋だと思う。


 他人に依らず、一本の短編で一万弱の文字を書き上げたのは今回が初めてであるが、物語そのものは我ながらよく出来ていると思う。


 選択の連続である人生と、ある分岐点で悩む青年に訪れる一期一会。

 一期一会というワードを聞くと、どうしてもフォレスト・ガンプを思い出す。

 きっと当時の私も同じ事を思っていたはずだ。


 あの時の選択がもし逆だったら?


 あの時ああしていれば?


 そんな悩みは、人によってそれぞれあるはずである。

 今更辿ってきた道をくよくよと悩むのも仕方のない話ではあるが、人間である以上悩むという行為とは切れぬ縁があるものだ。


 一度しか無い人生で見限ってきた選択肢も、本当に正しいのか分からぬまま選んだ選択肢も、正解も間違いもないと思う。


 ただ、生の終わりで立ち返った時に、後悔しない生き方をすれば、それだけでもう満足だ。


 あとがきにかえて      なすみそ

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一本道 北海ハル @hata

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