私は呪われたのか､来世があれば....決して人を愛したりしない 捨てられた皇妃

第2話 彼女に近寄るな.......

　　その年、東から来たと自称する少女が、空から舞い降りてきたように現れた。 服装が違っても、その顔は唯一無二の存在である。

黒髪に黒い瞳、この大陸ではまだ誰も見たことがない。

　人々はティヤの誕生が神のお告げによる降臨日よりも遅れていたことに、彼女が誤って選ばれたことを思い出した。

　人々は再び神の託宣を解釈し始めた:　ロブリスの伴侶、真の神の子、それは空から舞い降りてきた謎の少女だった。 すると，ティヤは徐々に世間から忘れられていった。 じっと待っていても，時間は少しも止まらない。

　彼女はついに人生の最大の転機を迎えた……一歩踏み間違えれば、永遠の地獄である。

　その日、花びらが舞い、歓声がとどろき、ロブリスの即位に世界中の誰もが感激した｡　ちょうどその日はティアが16年間、皇后としてロブリスと肩を並べることを期待した日だった。

　だが、 あの日…… 彼女はいつも冷たくあしらわれているロブリスを見て、謎の少女に甘やかしたような笑いを見せる。 彼らは幸せそうに手をつなぎ、一緒に権力の頂点を表す王冠を授かった。

　--それからティヤは、皇妃とされ、それこに向かってお辞儀をした。 それだけだ。

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　帝国の皇后になるはずだったティアは、今は皇妃として宮中での長い生活を始めた。

　もしかすると、内親王でさえも誤解を招いて慈悲の恩賞として与えられたのではないかと思われる。

　「ここは本当にきれいですね！」

気が付くと、私は既に彼女と皇帝の私設庭園に立っていた。

　ここで、先皇陛下はいつもあの小さな私をもてなして、親しく「嫁」と呼んでくださった、それに私はここで初めて彼にお会いしました----その伴侶となり、余生を共にされると信じていたあの皇帝陛下。

　「嫁」 木の影がゆらゆらして，地下に投げかけられた影がかすかに乱れている。 思い至る所に、先皇陛下が私を呼ぶ声が聞こえてきた。

風に吹かれた庭には色とりどりの花が咲き乱れ，緑は園一面にあふれている。

中庭は私がとてもよく知っている場所で、目を閉じても歩くことができる。

先帝の呼びかけがかすかに聞こえてきたので，私の目は急にむずむずして熱くなった。

あの懐かしい昔の時間が一瞬にして私の脳裏をよぎった。

私はすべての人は永遠に幸せだと思って、この幻想に深く酔っていた。

　皇帝陛下、ご自身はいつも政務に追われ、疲れ果てているとおっしゃっていた。

今は神の懐に眠っていますが、幸せですか？ ----ティアは今日、あなたのことをとても懐かしく思っています。

　「ティヤ、大丈夫？」 疑惑の声が、私の尽きない思いをもう一度断ち切った。

　過去のことに未練があったのか、私は恍惚の後にやっと気がついた:「大丈夫です、皇后陛下。側室は恐縮して、ご心配をおかけしました。」

「どうしたの？何を考えているの？何か悪いことでもあったの？」

「何もありません。私はただ大切な人を思い出しました。」

　日差しの明るい彼女が突然、「大切な人ね」と顔を曇らせた。

　　　　“……………………”

「お父さん、お母さん、そして私の言うことを聞かない弟……会いたいよ。」

　ああ、彼女にも家族がいるはず。

この年の子供は私と変わらないはず、いつも家族のことを懐かしんでいる。

少なくとも私には寡黙な父親がいる、でも彼女は一人でいる。

一夜にして家族と離ればなれになり、わけもわからず皇后さまになった。

ある意味では、彼女も被害者だ。

「お父さん、お母さん……」彼女は涙を流したようにうつむいた。

彼女のつぶやきは、無力で悲しんでいた。

私はなぜか、これまで彼女を嫌ってきた自分を少し自責するようになった。

しばらくためらっていたが、なにか言って彼女を慰めようとしたとき、後ろから急に冷たい声が聞こえてきた.......

「どうしたんだ？」 その声は身にしみるほど冷たかった。

彼だ、ロブリス。

近寄る音は全く聞こえなかったが、彼は人目をはばからず私の前に現れ、冷たくにらみつけた。

私は心の中の不安と一抹の不穏な感じを抑えて敬礼した。

彼の目は一瞬にらみつけただけで、私を越えて、とても優しくなった。

「雅媛、なぜ泣いているんだい？」 　「ロブ」 雅媛はすすり泣きしながら，小さな声で彼を呼んだ。

「ロブ」 私は思わず苦笑いした。

16年間、私は彼の名前を呼ぶことさえ許されていなかったのに、彼女はとても簡単に愛称で呼んいた。

　彼は私の苦笑には気づかなかったが、私を見る目には自然と疑念と警告があった。

「……雅媛に何をした？ いったい彼女に何を言って、彼女をこんなに泣かせたんだ？」

そばにいた少女は涙をぬぐりながら、あわてて説明した。

「そんなんじゃないよ、ロブ

テイアは何も言ってないよ、ただ私が家に帰りたくて泣いていただけなの」

「……そうか........雅媛、先に帰って休んでくれ、すぐ行く。」 彼は自分の過ちのために少しの罪悪感があるようだ------残念ながらこの少しの罪悪感さえも私に与えたものではない。

彼は愛情のこもったまなざしで彼女を見つめていたが，そのまなざしは私の心を痛めてやまなかった。

私が聞いたことのない優しい声で彼女を慰める彼の姿に、私は胸が締めつけられた。

彼がじっと彼女の遠ざかる後ろ姿を眺めているのを見て，私の心の中は雨のように涙を流した。

　雅媛の姿が完全に消えてなくなると、彼は私の方を振り向いた。

冷たい目からにじみ出る軽蔑と皮肉に、言葉も出ないほどつらくなり、黙ってうつむいた。 「警告する」 私の心の中のつらさを飲み込み、最も従順な態度を示した。

「なにでしょう、陛下？」 彼と私の距離はこれまでにないほど近かったが、全身には警告の息吹だけがあった。

「雅媛に近づくな、彼女は単純で寛容だからお前のような女が勝手に話しかけて良いものではない」

　予想の言葉だったはずなのに、私は「陛下？」と呆れてしまった。

彼の言った言葉はどれも身にしみるような冷たさであった。

私の顔つきが，なぜか彼の怒りを助長した。

　また、これらの言葉を彼はとっくに言いたかったのかもしれない

「お前は皇后の位が自分のものだとでも思っているのか？　あの者らはただ誤って神託を解いてお前を未来の皇后と推賞しただけだ、その位は最初からお前のではなく、優雅のものだ。」

“……………………………”

彼は度量が大きく，最後の警告を与えた。

「今回はお前に許しを与えよう、もし同じようなことがまた起これば，わたしは決して許しはしない。」

私はゆっくりと身を低くして、心の不安と冷たさを隠そうとしまた。

「妾よ、肝に銘じて」

　彼は一陣の冷たい風を巻き込みながら背を向けて立ち去り，後ろ姿を絶った。

冷たさで凍った心をつかんで、私はまだ半減していない　…… 私はいったい雅媛に何をしたのか。

私は傷つけたことがないのに、ただ彼女を理解してみたかっだけ.....

　　　　　　　　　　　　……………………

「皇妃殿下、いらっしゃいましたか。」 今日は数度、突然の音で物思いを打ち砕かれた。 貴族の修養のために、私は感情を簡単に表に出すことができない。 私はあっさり振り返った｡

｢どうしたのです？｣ 宮内府長官は、「至急の文書のご査読が必要でございますが、長い間お探しになりました。皇妃殿下がいらっしゃらなければ、次に進むことができません。」と、あわただしい顔をして言った。

　「そうですか.....」 早急見なければならない文書、私なしではできなかった宮内府の事務……そう、それが私の存在価値なのだろう。

　雅媛はまだ礼儀作法をよく知らない。足りないところは私が一つ一つ補わなければならない。それが私が宮中に入った理由。

　 私はため息をついて、彼に案内を命じた。「承知しました。帰りましょう。」彼の慌ただしい後ろ姿についていった。