アイスクリームはいつか溶ける

 乾いているのに瑞々しい。ドライなのにユーモラス。ユーモラスと言いつつ、素麺のシーンは非常にシリアス。読み進めるのが少し怖くなったほど。
 時間と空間、そして心。その三つが巡り合う一瞬の煌めき。それを、冒頭の冷めた諦観と結びの願いが強めている。
 アイスクリームはいつか溶ける。だからかけがえがない。