ハッカ味ドロップス
佐倉島こみかん
ハッカ味ドロップス
朝から細かい雨がだらだらと降り続いている。文芸部室から見える空は、薄墨をさらに薄めて濁したような、ぼんやりとした灰色をしていた。聞こえるのは吹奏楽部の楽器の音と、靴箱へ向かう人達のかすかなざわめき、そして、長机を挟んで私の向かいに座るもう一人が奏でる、硬質なチョークの音。
「ねえ凛ちゃん、溜め息の主成分ってなんだと思う?」
教室用の三分の一もない大きさの黒板に落書きをしていた花澄は、何の前触れもなくそう言った。黒板同様教室の三分の一もない狭い部室では、座ったまますぐ黒板に手が届くのだ。
「溜め息?」
また始まった。花澄は時々、妙な質問をしてくる。本を読んでいた私はページから顔を上げ、聞き返した。
「そう、溜め息。なんだと思う?」
花澄はこちらを振り向いて、せっつくように聞いてくる。蛍光灯の当たり具合が変わったことで、花澄の肩まで伸ばした色素の薄い癖っ毛が茶色く見えた。
「何って、酸素と窒素と水蒸気でしょう。二酸化炭素は結構少ないのよ」
私が答えれば、花澄は肩をすくめて『分かってない』とでも言いたげに首を振る。ちょっとムッとした。こんな答えを返すのは誰のためだと思ってるんだ、誰の。とは思っても、言わない。いつものことだ。言い出したらきりがない。
花澄は、人とコミュニケーションを取るのが下手だ。人の言葉を額面通り受け取りすぎたり、一々考えすぎたりする性分なのである。私とはもう長い付き合いになり、花澄も大体私の言うことの傾向を分かってくれているから私に対してはそうでもないけれど、あまり話さないクラスメイトなどになると、てんでダメだ。
例えば、一限目の始まる前に、それほど親しくもない隣の席の子から『今日、何か宿題あった?』と聞かれたとする。すると花澄は、一時間目の授業の事だけを聞いているのかしらとか、一限目は特に宿題がなかったから、もしかしたら今日ある授業全体のことを聞いてるのかもしれないとか、だとしたら何から答えてあげればいいかしらとか、そういうことを頭で延々と考えて、押し黙ってしまうのだ。
質問した側からすれば、もちろん一限目のことを聞いたのであり、黙ったまま答えが返ってこないとイライラしたり、無視されたように感じたりして、すぐ他の人に聞いてしまうのである。そんな感じでなかなか会話が出来ない、というような説明を、昔、花澄がなかなか返事しないのを不快に思って尋ねた時に聞いた。その説明もだいぶ根気良く待って聞いたのを覚えている。私だって最初は戸惑ったものだ。それ以来、私は極力、額面通りに受け取られても問題ないような答えを返すよう心がけている。
それに加えて、花澄は騒がしいのも苦手なのだそうだ。そのため、授業中グループワークで話し合うというような時も、周りの班の会話がうるさく聞こえて上手く自分の班の話に集中出来ず、結果、何も言えなかったりもするらしい。
一対一でもグループでも文字通り話にならないという状態だから、花澄は周りからは避けられがちだ。中一から現在の高二に至るまで同じ学校で同じ部活(だが一回も同じクラスにはなったことはない)という私はもう慣れてしまったのだけれど、慣れない人にとってはどうにも扱い辛いようだ。二学期も半ばだというのに、花澄いわく、今のクラスにはまだ友達が居ないらしい。今までのクラスでも友達が居た所をあまり見たことがないし、今から友達が出来るのかも疑問だが、彼女はまだ友達ができる可能性を捨ててはいないらしい。
「違うの。私が聞いているのは、ただの息じゃなくて『溜め息』なの」
不服そうな花澄の言葉に、ふと思考から引き戻される。
「何が違うのよ」
そう言いながら、ページをめくった。主成分において何が違うというのだろう。意味が分からない。
「全然違うわ。だって溜め息よ?」
どの辺りが『だって』なのだろう。よく分からない。イライラする。でもそれを表に出すわけにもいかない。私はこの何年か花澄と一緒に居ることで、かなり我慢強くなったことだろう。
「私はね、ため息の主成分は憂鬱だと思うの」
「憂鬱?」
非科学的極まりない答えに眉をひそめた。本から顔を上げて花澄を見やる。
「そう。憂鬱を吐き出して、幸せが入ってくるスペースを作ってるんだと思うわ。だから、『溜め息を吐くと幸せが逃げる』なんて言う人の気がしれないの」
そう言った花澄は短くなったチョークをチョーク入れに放り込んで、小さく嘆息した。
「へえ」
とりあえず生返事。私からしてみれば溜め息の主成分が二酸化炭素だろうと憂鬱だろうと知ったことではない。
「ああ、そうだ。凛ちゃん、ドロップ食べる?」
「あー……うん。ちょうだい」
こちらのことなどお構いなしに、何を思いついたか、花澄は鞄からドロップの缶を取り出して寄越してきた。言葉にされていない部分で色々考えた結果なのだろう。突拍子もなく見えるだけで、彼女の中では筋が通った展開なのかもしれない。でもまあ、よく分からないことに変わりはないので、一々ツッコミを入れずに流してしまうに限る。花澄のこの言動と行動はいつものことなのだから。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。でも、ドロップなんて懐かしいものよく持ってるね」
ドロップ、しかも缶入りだ。サクマドロップスだって最近は個包装されて袋詰めで売っているのに。
「一昨日、ふらっと立ち寄った駄菓子屋さんで売ってたの。懐かしくてつい買っちゃった」
「この辺、駄菓子屋さんなんてあった?」
一昨日も普通に学校だったから、立ち寄るなら通学路のどこかだろうと思って尋ねれば、花澄は首を横に振る。
「この辺じゃないの。一昨日の帰り、電車で三駅先まで乗っちゃったから、そこを散策したついでに見つけたお店」
乗り過ごしたのが分かったらすぐ戻ればいいのに、帰らずにそのまま散策するのが花澄らしい。もうだいぶ日が暮れるのも早いから、一体、何時に家に帰ったのか心配になる。一応、なんやかんや言っても私は花澄の友達なのだ。たぶん。私は、そう思っている。だから、その辺は気にかかるのだ。花澄が私をどう思っているかなんて、知らないけど。
そんなことを考えながら缶を受け取った。金属製の缶はひやりと冷たい。ドロップ、か。英語の動詞なら、落ちる・こぼれる、といったところか――などと、ふと考える。クラスという社会の中で孤立する花澄は、ある意味『ドロップ』なのかもしれない。『落ちこぼれ』なんて言うと、出来の悪いイメージが思い浮かぶけれど、花澄は決してそうではないのだ。逆に成績も素行も、言動がずれていることを除けば、良すぎるくらい。それなのに孤立する、ある種異質な存在。
受け取った缶を振れば、からからと盛大な音を立ててアメが吐き出された。色は白。口の中に放り込むと、独特の匂いと刺激、甘さと清涼感が広がる。
ハッカ味だった。
「あ、凛ちゃんハッカ平気なの? 私、食べられないんだよねえ。だから、ハッカどんどん食べていいよ。というか寧ろ全部食べて?」
色と匂いで何味か分かったらしい。花澄はにこにこしてお願いしてくる。
「嫌。私だってハッカ味はあんまり食べたくないの。出てきたから食べただけだから」
花澄の頼みをきっぱり断って缶を返す。口内に転がるハッカ味を噛み砕くと、小気味いい音がした。
「でも、缶の中に戻さなかったってことは、嫌いじゃないんでしょう、ハッカ」
「まあ、確かに」
口中に広がるアメの破片を舌で転がす。スースーし過ぎて若干痛い。どうしてこんなもの食べるようになったのだろうと自分でも不思議に思う。
思い返してみると、他のドロップとは何か違うハッカ味が仲間外れみたいに思えて、それじゃ可哀想だと食べるようになったんだっけ。今考えると馬鹿らしい。ドロップに心なんてあるはずないのだ。まあ、小さい頃は何にでも心があると思うものらしいけど。
「……それを考えると、花澄ってハッカ味っぽいよね」
「え、私ってそんなにクール?」
こんなに突然話を変えても花澄は楽しそうに返してくる。決してツッコミが入ることはない。私と違ってこいつは素でやってるんだけど。
「違う違う。浮いてるってこと」
多少ずけずけ言っても問題ないだろう。私のこんな物言いも、いつものことだ。
「――ああ、うん、そうかも」
それを聞いた花澄は急に笑みを潜め、ぽつりと、どこか納得したように答えた。
「あ、えっ、ごめん。言いすぎた?」
普段なら笑って『うわー、凛ちゃんひどーい』などと冗談めかして答えるのに。いつだってにこにこしているから忘れがちだが、花澄だって傷つくこともあるだろう。
「あっ、ううん、凛ちゃんが謝ることじゃないの。ええと、凛ちゃん。ちょっと重い話、していい?」
「え、何」
花澄に重い話なんてあるの、と思わず口走りそうになり、慌てて口をつぐんだ。真剣な口調だったから、それを言ったらまずいと感じたのである。誤魔化すように、細かくなったドロップを更にじゃりじゃりと噛み砕く。
「私ね、アスペルガー症候群なんだって」
「アスペルガー症候群?」
いつもより少し慎重な口調で言われた聞きなれぬ単語に首を傾げる。何かの病気だろうか。
「私も詳しいことはよく分からないんだけど、高機能性……自閉症? と、同一視されることもある、発達、障害? の一種、なんだって」
花澄自身まだよく理解していないような、難しい単語の羅列に戸惑う。ただ、私でも分かった言葉に引っかかるものがある。
「自閉症? 花澄が?」
自閉症といえば、言語障害や知的障害があったり、誰とも関わりを持たなかったりして、生活にも支障をきたすようなイメージがある。でも、花澄は友達がほとんどいないとはいえ、会話も成り立つし、こうして普通に生活もしているのだ。
「ええと、自閉症の知的障害のないやつが高機能性自閉症で、アスペルガー症候群は会話能力があるけど自閉症の特徴を持つ、らしいのね」
花澄は何やら細かい文字がたくさん書かれた診断書のような紙切れを取り出して読みながら言った。それを要約しようとしているのだろうが、説明になっていない。
「よく分からないんだけど」
「うん、私もよく分かんないの」
花澄も困ったような顔をして答えた。
「ええと、とにかく、会話が出来ないわけじゃないけど、コミュニケーションを取ることが上手く出来ない、みたいな障害がアスペルガー症候群で、私はそれの軽いやつ、らしいのよ」
「はあ、なるほど」
ものすごく意訳した説明のおかげで、大まかには分かった気がする。花澄のコミュニケーション力のなさは、そういう障害から来るものだということだろうか。
「親が、私があんまり上手く人と話が出来ないのをかなり気にしてたらしくて。昨日、病院に連れてかれたの。そこでまあ、そういう結果が出たんだけど、なんか、ショックで」
花澄は肩を落として話し出す。私は、何も答えられない。
だって、私にとっても衝撃だ。確かに会話が下手だとは思っていたけど、ただ素直で相手のことを考え過ぎるだけなのだと思っていた。急に障害とか言われても。というか、健康上の問題としては大丈夫なのだろうか。『症候群』って何か病気っぽいニュアンスがあるけれど。
そう思っても、動揺を表に出さないように努めた。花澄の方がショックなのだから、こちらが取り乱すわけにもいかない。こういう時、どう言葉をかければいいのだろう。
「私、確かに会話するの下手だけどさ、でも、ちょっと不器用なだけで、普通だと思ってたのよ」
花澄は肩を落としたまま続ける。私だってそう思っていた。というか、今もそう認識が変わらない。
「それなのに、それにアスペルガー症候群だとか大層な名前付けられちゃうとさ、どうしていいか分からなくて」
はあ、と一つため息を吐いて、花澄は机に突っ伏す。
「ええと、それって、治らないの? 進行したりとかは?」
無知で申し訳ないが、気になるので尋ねた。
「なんか、どうしてそうなるかっていう原因が分かってないから、病気みたいに病原菌を調べてそれに効く治療して終わり、っていうようにはいかないんだって。だから治るってのはないらしいの。でも、進行もしないし、努力次第で改善はするって」
花澄は突っ伏したまま答える。病気とは違うのか。とりあえず、死に至る不治の病だとか言われなくて安心した。
「ん? じゃあ、問題なくない?」
「え?」
私が言えば花澄は顔を上げ、きょとんとしてこちらを見る。花澄がそこまでへこむ理由が、私にはよく分からない。
「いや、別にさ、そういうものを抱えてるんだ、ってのが分かっただけで、一昨日、花澄自体が何か変わったわけじゃないんでしょ?」
「え、うん、まあ」
花澄は戸惑ったようにうなずいた。
「ただ、今までどうして人と上手くコミュニケーションが取れなかったかって理由が判明しただけなのよね?」
「理由っていうか……、ほら、今言ったみたいに、検査してウイルスの種類や何かの数値とかで分かるようなものじゃないから、『こういう行動の傾向があるから、これに当てはまります』っていう診断なの。だから、理由とか原因ってのとは、なんか違う気がするのよねえ」
私の問いかけに考え考えしながら腑に落ちないとでも言いたげな答えを返す。
「結果に納得出来てないってこと?」
「ううん、自分がそういうものに分類されるってことは納得したの。思い当たる節もあるしね。でも、だからって、人と上手くコミュニケーション取れないのが、全部そのせいだっていうのはなんか違う気がするの」
花澄はドロップの缶を手慰みにいじりつつ答えた。手近なものをいじるのは花澄が考え事をするときの癖。からからと、音が鳴る。
「うーん微妙。分かるような、分からないようなって感じ。でも、どっちにしろ、そういう部分もあるから仕方ないんだ、って思えば少しは気が楽になるものなんじゃないの? 私だったら、そう思いそうだけど」
実際にその立場に置かれていると、また違ってくるのだろうか。
「なんていうか、凛ちゃんってたくましいよねえ。合理的というか、なんというか」
苦笑されてしまった。そんなに単純な問題でもないらしい。
「でも、私はそう簡単に割りきれなくて。それにさあ、私はアスペルガー症候群ですとか言ったら、周りに引かれそうな気がしない?」
眉根を寄せてこぼす。花澄の手の中の缶は、からから、からからと忙しなく音を立て続けている。
「ちゃんと今みたいに説明し……ても、あれか。逆効果か? どうなんだろう、分かんない。理解を示してくれる人はいるかもしれないけど」
「逆に、尚のこと関わりを持ってくれなくなる人もいるかもしれないでしょう? というか、そっちの方が多い気がするわ」
花澄は私の言葉にすかさず被せてきた。確かに、障害に対する偏見がある人も少なくないだろう。
「それに、変に待遇が変わるんじゃないかってのも怖いのよ。『この人は障害があるから』って変に特別扱いなんてされたくないし……ん? その点、凛ちゃんは全然反応が変わらないのね?」
花澄は途中まで言ってから、今更私の対応に気づいたように聞いた。
「まあ、花澄は花澄だし。そんな一面があったんだ、ぐらいにしか思ってないから」
正直な感想を言えば、花澄はあっけにとられたように目を瞬かせる。からん、と鳴り続けていた缶の音が止まった。
「え、本当に?」
「うん。最初聞いた時は驚いたけど、でも、花澄の何が変わったってわけでもなさそうだから、別に大丈夫かなって」
まじまじとこちらを凝視する花澄の目を真っ直ぐ見返す。
「……私って案外、凛ちゃんに好かれてる?」
「なんでそうなるわけ」
予想の斜め上を行く質問に頭を抱えたくなった。
「いや、そんなにすんなり受け入れてくれたの、凛ちゃんが初めてだったから。親も先生も戸惑ってたし」
「別に。単にこういうことに偏見が少ないだけよ」
どことなくうれしそうな花澄にぴしゃりと言い切る。
「それでもいいの。凛ちゃんにそう言ってもらえると安心するわ。やっぱり持つべきものは友よねえ」
「え、私、友達だと思われてたの?」
何気なく言われた言葉に思わず聞き返した。私からしてみても意外である。いつもあれだけずけずけと物を言い、そっけない態度をとる私を友達として見ていてくれたとは。
花澄はそれを聞いてから首を傾げた。
「あれ、そう思ってたの私だけ? もしかして、自分で思ってるほど好かれてなかった感じ?」
「いや、私も友達だと思ってる……まあ、嫌いじゃないし」
ぼそりと返した。無性にこっぱずかしい。
まあ、今ではハッカ味も普通に食べられるのである。
「珍しい、凛ちゃんが照れた」
「うるさい」
少し驚いてからきゅっと目を細めて笑う花澄と対照的に、私は仏頂面で返事をした。最後の方まで聞こえていたらしい。
「花澄、ドロップもう一個ちょうだい」
この空気に耐えられず、少しだけ大きな声で花澄に言う。
「いいよ、はい」
私の様子に微笑んで、花澄はさっきのドロップの缶を手渡してきた。
「ありがとう。とにかく、そんなに深刻に悩まなくてもいいんじゃないかなって思うよ、私は。今もほとんど友達居ないんだから、別になんとか症候群だって周りに言ったところで、失うものはそんなにないんじゃない?」
「凛ちゃんったら相変わらずキツイなあ、もう。確かに私、あんまり友達居ないけどさ」
改めて率直な意見を述べれば、花澄はまた苦笑した。
「うーん、凛ちゃんほど割り切れないけど、でも、そう言われると少しは気が楽になったかな」
「それなら良かった。だいたい、コミュニケーションの取り方なんて、皆悩んでるものだよ。私も、そう」
花澄から受け取ったその缶を何度か振ってから蓋を開ける。私だって、ハッカ味だと言えなくもない。
「それにね、花澄」
「なあに、凛ちゃん」
花澄はこっちを見て聞いた。私は花澄を見ずに手の平の上で缶を逆さにする。
「たとえ花澄がなんか小難しい名前の障害を抱えてるとしてもさ、私はこれからもこんな感じだから、心配しないで」
からん、と音を立てて出てきたのは白いアメ。苦笑して一つ溜め息を吐くと、口の中に放り込む。溜め息か。憂鬱が逃げていったらしい。幸せの入るスペースは出来ただろうか。
花澄は私の言葉の意味を理解しようとしたらしく、長いこと考えて、それから一つ息を吸い込むと、また私へ視線を戻す。
「うん、ありがとう」
花澄なりに解釈したらしく、小さくはにかんでしっかりと答えた。その表情に安心して、口内のアメを噛み砕く。
彼女がドロップなら、私は缶になればいいんだろうか。誰かに受け入れられなくても、変わらずに戻ってこられる場所に? いや、違うな。 私だってドロップだろう。だったら、戻ってきた缶の中で一緒に転がりながら、いつもみたいにずけずけと物を言って迎える方がいい。そっちの方がしっくりくる。それが私に出来る最低限の事。だと、思う。たぶん。
口内で更に細かくなった白いアメ。口中に広がるのは独特の清涼感と甘さと刺激。
――ハッカ味、だった。
ハッカ味ドロップス 佐倉島こみかん @sanagi_iganas
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます