差異 -リフレイン
さて、そろそろ私の命綱が切れる頃合いだ。傷を癒やせば、また断崖絶壁を見上げる羽目になる。で、また抜け道を探すことになるのだろうけれど、今度は学ぶだけではいけない。先立つものがなければ、私は、こうしてものすことすらままならないだろうから。あまり述べることが出来なかったけれど、私は、私の家を、私の家の庭を、私の家族を、愛してやまない。
果たして、私は、この家を継げるのだろうか?
構造は、以上に示した通りだ。そして私には、適当に身につけることが出来た、学がある。これは、孤独な群青の向を恐れる程にまで飛翔した夢の欠片、墜落して生き残った私、這い上がり、いかなる手段を使ってでも抜け道を探し出し、断崖絶壁のその道を誇り高く歩んだ実として得た、学である。私にとって、大学卒業は、たかが称号如きなどではなかった。称号ならば、もっと誇り高く、鬱陶しい程に自己愛の強い私にぴったりなものを、(勿論、辞退しようかと思ったものの、)私は頂いているのだから! なんて、性格が悪いことをアピールせずとも、然してこの破滅の空を見上げながら、私はもの思うのである。
異なるのは、時間と責任。それでも。
また、再び、歩けば良いと。そして、あの頃にはなかった拙い翼で、飛び立て、と。
事実の羅列、或いは稚拙な構造分析 -破滅の空リフレイン 四葉美亜 @miah_blacklily
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます