第2話 放課後

授業が終わり、皆が部活や帰宅し始めた。

私は先生に寝ていたせいで課題を出されて、課題と一人向き合っていた。

いつの間にか日も暮れてすっかり外は暗くなっていた。

「かなまだ、いたのか。」急な声に驚きドアの方をみると、戸巻がいた。

「うん、課題出されちゃって」と私が答えると戸巻は部活動終わりなのか顔を赤くしながら近くに歩いてきた。

この戸巻信二という男は高校の陸上部から仲良くなった。

明るく、だれに対しても壁を作らない彼はまさに漫画の主人公のような爽やかな男である。

「かなが今日部活こないから、みんなが話てたぞ。授業中に寝るなよな」

「分かってるよー。けど、昼は眠いの。明日は行くよ部活」

「たくよー、俺たちもうすぐ記録会だし、今年で最後なんだからさ」

「そうだよね、高校ってホントに一瞬だったね。」

「なんだよ、それ(笑)、まだ、一年半はあるぞー」

「えっ、あーまあそうだけど、なんか一瞬な気がしてさ」

そんな私の言葉に微笑みながら「ほんと変わってるな」と信二はいった。

「なあ、今日その課題が終わったら学校でコッソリ花火しねえ?」

「えっ」私は信二の方に顔を向けた。

「「信二がそんなこというなんてみたいな顔するなよ」、いや何となく夏は部活に忙しいだろうし、せっかくなら明美とたくやに連絡して買って来てもおうぜ」そんなことをいいながら、悪ガキの顔をする信二の笑顔に断りきれず、

「うん、まあいいけど、ふたりくるかな」とあいまいな返答をした。

「かな、まだ課題してるだろ、ちょっくら連絡してくるし、教室で待っててよ。」

「分かった」と返事をする前に信二は教室を手を振りながら走って出ていった。

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