文化祭と「渡部席」

稲兎谷ぴょん

文化祭と「渡辺さん」と「渡部席」 作者より

 2年生になって、渡部と同じクラスになった渡辺さんは、委員長とゆっこと、文化祭の出し物に決定した喫茶店について話していた。喫茶店といっても、

「やはり、メイドカフェかなぁ。」

「最近は、手に入りやすいしね。」

「どこもそうならうちは変えようよ!」

 と、発言する渡辺さん。

「大丈夫やで~。」

 渡部くんがやってきた。

「なぜなら!配置のため消えた渡辺席のために、ワイが中央に円卓もってきたんや。」

「ああ、「渡部席」ね。うるさいばかりの。」

「客引きや言うてくれや、文化祭の時ぐらい。」

「ま、いいでしょ。私も、「渡部席」が欲しかったところ。」

「なんや、キュンキュンしてきたか?」

「いえ。貴方らしいと思っただけ。それに、新味がないか考えてたとこ。貴方もついてたわね。でも、円卓中央にある「渡部席」の△コーンは何でしょうか?」

「それは、ワイが考え……。」

「これは、外させてもらうわね。文化祭の花は、私たちなんだから。」

 クシャリと丸めて、渡辺さんは、ごみに捨てた。


 おしまい。

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文化祭と「渡部席」 稲兎谷ぴょん @usapyon

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