その情景は、無限大!

夢に見た光景を1話完結の物語形式でお送りする、どこをつまんでも美味しい一口サイズの短編集。

夢を他人に伝える文章として起こすのは、簡単ではないはず。
ただ作者さんのとても丁寧かつ癖のない文体は、夢を表現するのに適している。
1話の文章量も適度に調節されていて、見事な作品に仕上がっている。

現実的な思考とシュールな出来事のずれが、物語を動かす車輪。
整合性のない不思議な感覚を受け入れて読み進め、それから一般的な小説を読み出すと、逆に違和感を感じてしまう。「ああそうか、これは普通に話が進んでいくんだな」と。

まさに、「夢を見させてくれる」至極の物語。

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