何彼襛矣(平王の孫の嫁入り/文王の孫の嫁入り)
王の娘の嫁入り 周王 斉公
なんと美しきか、トウテイの花。
なんと静かで穏やかなるか、
王の娘たちの車は。
なんと美しきか、スモモの花。
それは平王さまのお孫、
斉侯さまのお子。
お魚は何で釣り上げようか。
糸よりは縄で。
斉侯さまのお子と、
平王さまのお孫。
〇国風 召南 何彼襛矣
珍しく時期が特定できる詩である。平王、すなわち覇権国家であった周が覇者の地から滑り落ち、西に逃れて東周となった時の王。その孫娘が斉公の息子に嫁ぐ。その時の華やかな様子が語られる。ところで諸解説が「斉侯」で話を太公望呂尚に全然かけてこぬのはいったい何の冗談なのだ。斉は周東遷当時、いまだ姜氏の支配する国であった。魚釣りといえば太公望。「魚釣りの縁」が再び結ばれた、とすることでさらにこの詩には広がりが見込めように。
〇儒家センセー のたまわく
「美王姬也。雖則王姬亦下嫁於諸侯,車服不係其夫,下王後一等,猶執婦道,以成肅雝之德也。」
平王の「平」は偉大なる、という意味に解釈すべきである! すなわちここでいう平王とは文王のことを示すのである! 文王の娘が諸侯のもとに嫁いでゆく、嫁入りまでは王の娘のルールに倣うが、嫁入り後は諸侯の嫁として、夫に仕える! そうした妻としての徳を謳うのである!
〇崔浩先生、ビビる
oh……。
■諸王の席次は
宋書57 蔡廓
揚州自應著刺史服耳。然謂坐起班次,應在朝堂諸官上,不應依官次坐下。足下試更尋之。詩序云:『王姬下嫁於諸侯,衣服禮秩,不係其夫,下王后一等。』
劉宋黎明期が誇る正論キリングマシーン蔡廓さんの登場である。同僚が皇帝の息子たる揚州刺史劉義真より「オレの会合での席次は刺史のものじゃなくて王のものにしろ」と難癖をつけられてきた。これに困った同僚氏、「た、確かに何彼襛矣の序でも皇帝の娘の儀礼は夫の儀式に関係なく皇后より一段下がる婚礼にしろ、とあるし……」と弱腰な姿勢をみせておる。なおこののち、同僚氏は蔡廓さんよりの怒濤の正論リンチでオーバーキルを食らう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054894678829
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054894691152
蔡廓さんは鬼である。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%B8%80#%E3%80%8A%E4%BD%95%E5%BD%BC%E8%A5%9B%E7%9F%A3%E3%80%8B
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