第8話 魔物
俺たちがこの世界に来てから2週間が経った。
戦闘訓練の方はまあまあついていけている。
むしろ勇者の中では結構やれている方だと思う。
、、、、天城とかの高ステータス組にはさすがにかなわないが。
やはり身体能力のステータスが高いのと、【格闘術Lv2】があるおかげだろう。
何度か動きについて、しょうg、、、教官殿にも褒められた。
戦闘訓練を教えていただいているのは、この国の軍部担当大臣の、
シュライド・ヴィルケル大臣だ。
他の大臣たちは将軍殿と言っているので、俺たちも真似して将軍様と呼んだのだが、
本人は「お前らに言われるのは癪に触る。」と言って教官殿と呼ばされるようになった。なぜかは知らない。
戦闘訓練と合わせて、魔法大臣に魔法の使用方法なども教えてもらった。
心の中でイメージを作りながら魔力を放出すると、魔法が放たれるというものだ。
このイメージをスムーズに行うために、”詠唱”というものをするらしい。
すんげぇ中二病っぽかった。
例えば、炎を一つ出すだけでも
「真紅の炎よ、その輝きを持って顕現せよ。【
と言わなければならない。
俺的にはあまり言いたくないのだが魔法大臣曰く、詠唱なしだと相当な実力者でない限り魔法は放てず、できたとしても詠唱した方が早くなってしまうそうな。
、、、慣れるまで我慢しよう。
そして魔法を練習したところ、雷属性のものが何個かできるようになった。
【
【纏雷】は未だ指先にまとわせるくらいだが【雷矢】は30mほど飛ばすことができた。
正直、できてよかった、、、、と心の中で安堵している。
しかしもう一つの魔法スキル【闇魔法】がちっとも使えなかった。
本当にちっとも。
、、、、なんで?なんで一番かっこよさげなやつが使えないの?
そう思って魔法大臣に聞いたところ、
「闇魔法は相当な魔力が必要なんじゃ。お主の魔力が足りないだけじゃろう」
と言われた。
闇魔法、、、、かっこよさそうなのになぁ、、、、、
まあ魔法は使えるんだし、よしとしよう。
ステータスも少し上がったし、戦闘訓練の方は順調だ。
言語の方は結構しゃべれるようになった。
こんな短期間でこれだけ喋れるようになるとは思わなかった。
本当に”勇者の加護”に感謝しかない。
しかし喋れるといってもちょっとした簡単なものなので、未だに戦闘訓練以外の会話は日ほn、、、古代魔術語だが。
さて。ところで俺が今何をしているかというと、
戦闘訓練中にぶっ倒れて病室に運ばれたらしく、現在ベッドに寝かされている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いやー恥ずかしい。マジで。
訓練中にぶっ倒れて、しかも王女様にそれを運んでもらうとは、、、、、、
魔法大臣によると原因は魔力切れらしく、魔法を習いたての頃は大体の人がなるものらしい。ドッヂボールの時に鼻血出して、保健室に連れて行かれた時みたいな恥ずかしさがあるな、、、、、
と言うかそれより恥ずかしいのが、王女様に運んでもらったってことだ。
みんなが訓練中だったので、気を利かせてくれたらしい。
”俺の脳裏に、王女様にお姫様抱っこで運ばれている俺の姿が映った。”
、、、
、、、、、、、、
うおおおおおおおおお!!変な気遣いなんていらないんだよおおおおおおお!!
うあああああああ!!やめてくれえええええええ!!女の子に運んでもらうとかまじで男として恥ずかしいからあああああ!!!!!!
自分で考えたことなのに思わず羞恥心で悶えてしまう。
お姫様抱っこで運ばれてなかったとしても、やはり恥ずかしい。
他の人に見られていたとしたらもっと恥ずかしい。
「、、、、、次からは魔力切れを起こさないようにしよう。」
またこんなことがあったら羞恥で死ぬ。そう思いながら俺は一人呟くのだった。
「どうかしたのですか?」
「うああ!!」
突然聞こえた声に驚きつつも、声のした方を向く。
するとそこには、金髪美少女。
王女様がいた。
「え、、、、、?」
俺にとっては突然のことだったため思考が止まる。
、、、、、、、、
なんで?なんでこんなところにいるの?
え?何をしに来たの?
ゑ?????????
「な、なんで王女様がここにいるんですか?」
驚きすぎて、うまく言葉が出てこない。
「いえ、少しお見舞いにと、、、、
あと他の方にはしたのですが、ちょっとした説明を」
俺の問いに王女様が答える。
あ、なんだ。説明をしに来ただけか、、、、びっくりした、、
魔力切れを起こす勇者なんかいらない!!とでも言いに来たんかと思った、、
「すみません急に、、、驚かせてしまったようで」
「いえいえ!こちらこそすいません焦ってしまって、、、
で説明とはなんでしょうか」
「はい。説明とは魔物についての説明です。
実は今度訓練も兼ねて、対魔物戦をしてもらおうかと思いましてですね。」
「魔物、ですか。」
「はい。あ、でもそこまで心配はいりません。
スタンピードの相手をするわけではないので。」
うーんついに魔物との戦闘か、、、、いつか来るとは思ってはいたが、こんなに早いとは。やっぱり勇者の成長に期待しているのだろうか。
、、、、俺は期待に添えるのかな。魔物がもしめちゃめちゃ強いやつだったら俺勝てる自信ないよ。
「まず魔物の説明からですね。
簡単に言うと、魔物とは魔力を保有した動物のことです。
基本、人族や魔族以外の動物は魔力を保有していないのですが、
魔物は魔力を保有しています。
魔物がなぜ魔力を保有しているのかは未だ明かされていません。
ですが魔力を保有しているからといって、
全ての魔物が魔法スキルを使えるわけではありません。
魔物は2種類に分けられていて、
魔力により姿形などが変わり、身体能力が向上した魔物
【第1
魔力により姿形が少々変わり、身体能力が向上し、
魔法スキルなどが扱えるようになった魔物
【第2
となっています。
ノーマルモンスターはゴブリンやオークなど、集団でいる魔物が多いですね。
そのため、基本単体で行動するユニークモンスターに比べて数が多いです。
スタンピードなども、そのほとんどがノーマルモンスターたちが起こします。
しかしユニークモンスターはスキルが使える分、強いのでよく討伐対象になること
が多いです。」
「スタンピードのほとんどってことは、、、、
ユニークモンスターが起こすスタンピードもあるということですか?」
「実際、50年ほど前まではユニークモンスターによるスタンピードが定期的に
大陸各地で起こっていたそうです。
基本単体で行動するユニークモンスターがまとまって行動した理由は、
『魔王』と呼ばれた魔物によるものだとされています。
この魔王がなぜ他の魔物を煽動できたのかは、未だ明かされていませんが
50年前に魔王討伐隊により討伐されたそうです。」
なんだ。あったってだけか、、、、ビビって損した。
というかあれだよな。魔王ってゲームとかによく出てくるやつだよな。
、、、あとで調べてみよ。
んでもってスタンピードと戦うわけじゃないってことは何と戦うんだ?
「で、今回戦っていただくのは王都郊外にある【
ユニークモンスターです。ダンジョンのユニークモンスターは階層ごとに
強さが違うので、実戦訓練には最適なんですよ。
ダンジョンの仕組みなどについてはまた後日お話しいたします。」
ダンジョン、、、そんなものがあるのか。
はっ!!もしかしたらダンジョンでピンチになってる女の子を助けたりしちゃって
俺がモテモテになったり、、、?!
、、、、、なんてことはないか。
それをやるのはどうせあの天城とかの主人公系のキャラだろう。
俺なんかがやる役目じゃない。
「イチジョウさん?聞いてますか?」
王女様の一言でハッと我に帰る。
いかんいかん。話に集中せねば。
「・・・という感じでダンジョンに潜りますのでちゃんと覚えといてくださいね。
では3日後にダンジョンに潜るのでそれまで訓練はお休みです。
しっかり体を休ませてくださいね。では」
そう言って王女様が病室を出て言った。
というか王女様俺の名前覚えといてくれてたんだ、、、
今まで美少女に名前を呼ばれる機会など全くなかったのでちょっと嬉しい。
あ。
そういえば話全然聞いてない。
ダンジョンの潜り方?みたいなの説明してたけど、、、、
どうしよ。
俺は3日後にダンジョン入りが迫る中、どうやってその方法を周りから聞き出すか悩んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すいません。忙しかったのと風邪ひいてて遅くなりました。
読んでる人も少なく、全然話も進まないこの物語ですが、
読んでくださっている方々、頑張って書くので応援お願いします。(`・ω・´)9
【元】勇者候補の奇譚章 @yumemirugorira
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【元】勇者候補の奇譚章の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます