不安定な国際情勢
1937年7月12日 南イタリア ナポリ 書記長室
ここでは、書記長、陸軍相、外務相の三人が対面で話し合っていた。
陸軍相「…というわけでブルガリアは一気に敗走。そして、一昨日に降伏したことでバルカン半島の覇権を喪失しました。」
書記長「そうか。ところで、世界情勢はどうなっている?最近バルカン方面で忙しくて見ることが出来なかったが…」
外務相「はい。ここ最近、世界情勢は急速に不安定になっています。まずは、中東。エジプト、イエメン、サウジアラビア、イランなどカイロ条約機構加盟国がオスマン帝国に一斉に宣戦布告。既に瀕死の病人であったオスマンは一気に崩壊。そんな中、スルタンであるアブデュルメジト2世が暗殺され、ムスタファ・ケマル・アタテュルク率いる共和人民党が政権を握りました。新たな政権はカイロ条約機構と講和。オスマン帝国はトルコ共和国として生まれ変まれりました。」
書記長「瀕死の病人が他界した程度では驚かん。他の情報は?」
外務相「はい。ロシアで帝政復古が行われました。」
書記長「…何?それは本当か!?」
外務相「はい。間違いありません。現在、彼らは現在旧領回復に向けて動き出しています。」
陸軍相「…となると、やはり、ドイツ率いる帝国協定と衝突するか。現在、敵対しているイタリア連邦はオーストリアの傀儡だ。そして、オーストリア率いるドナウ・アドリア連盟は帝国協定と協力関係にある。もし、彼らがドイツに攻め入れば、ドイツは二正面を余儀なくされる。更に、セルビア率いるベオグラード条約機構もオーストリアの勢力圏を狙っている。となると、更に一正面追加されます。」
書記長「だが、現在の練度で勝てるのか?」
陸軍相「イタリア連邦には勝てますが、オーストリアとドイツには厳しいでしょう。現在、新兵器の開発を急いでいます。特に今回のバルカン戦争で戦車が有効であることが確認できましたので、戦車の新たなデザインを熟考中です。」
書記長「他の地域はどうだ?」
外務相「はい。アジアでは仏領インドシナで大反乱が発生。フランスは駆逐され、ベトナム・ラオス・カンボジアが独立しました。彼らはいずれも我々のサンディカリズムに近い思想を掲げています。また、モンゴルとチベットが東トルキスタン・馬家軍閥を撃破。これに四川軍閥が介入しましたが、背後を中国共産党が攻撃。成都に毛沢東らが入城し、四川軍閥は降伏しました。」
書記長「自分が背後を突こうとしたら突かれたか。ともあれ、同志が力を伸ばしていくのは大変良いことだ。」
ダダダダ ガチャ
連絡員「外務相!あなたにお電話が来ています。」
外務相「そうか。では、失礼する。」
電話室
連絡員「こちらです。」
外務相「どうも。」
ガチャ
外務相「ああ、私だが。ああ。…それは本当か?…そうか。分かった。また後でこちらから連絡する。」
ガチャン
外務相(なんということだ。予想はしていたが、あまりにも早すぎる1)
(アメリカで内戦が起きるとは!)
Il nostro rosso mediterraneo もしも世界初の社会主義国家がイタリアだったら? Yuusaさんの産業廃棄物最終処理場 @YUSA0190
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