加護無し冒険者と英雄譚
このネイダール大陸にはかつて加護というものがあった。
しかし、今は加護を持って生まれる者はいなくなり、加護を持っている者も少なくなっている。
だが、誰も加護がないからと差別をしてくる者も悲観する者も今はもういない。
なぜなら、今のこの時代は自分次第で何にでもなれる可能性があるからだ。
◇◇◇◇
「さあ、みんなおやつの時間よ」
お腹を膨らましたエルフの妊婦が声をかけると、庭で遊んでいた沢山の子供達が大きなテーブルの側に集まってくる。
すると、お菓子やジュースを持った、ハイエルフの母親が我が子に声をかけた。
「こら、あなたは手を洗ってないでしょ!」
「へいへい、おっかねえおかんだぜ。さすが元魔王だね」
「勇者よ!それに元じゃなくて今もよ!全く、生意気になって!」
ハイエルフの母親が腰に手を当てて、我が子を睨んでいると、ケーキを持ってきた狐耳族と犬耳族の獣人の母親が微笑む。
「元気があっていいじゃない。うちは本の虫よ」
「あたしのところはすぐに木の上に登って寝ちゃうのよ」
狐耳族と犬耳族の獣人の母親はそう言って苦笑すると、食器を持った人族と魔人の母親が我が子を見ながら言ってくる。
「うちはいたずらが好き。毎回驚く……」
「ぼくの子もいたずらが好きで……あっ、こら、座って食べなさい!」
「はーーい!」
魔人の子が元気よく手をあげるとみんな、頬をゆるませる。
そんな魔人の子の近くにいたエルフの子が、母親の方に駆け寄ると膨らんだお腹にゆっくりと耳を押し付けた。
「早く出てこないかなあ」
「ふふふ、楽しみね」
「うん!」
エルフの妊婦は我が子の頭を愛おしそうに撫でると、ハイエルフの母親が言ってきた。
「そういえば、彼女もそろそろ生まれるって言ってたわよ」
「本当ですか⁉︎絶対、可愛い子が生まれますよ!」
「生まれたら領域に招待するって言ってたわ」
「楽しみですね」
二人がそう言って微笑んでいると、ハイエルフの子が戻ってきて言ってきた。
「ねえ、今日も歌ってよ!」
ハイエルフの子がそう言った瞬間、子供達は一斉に顔をあげてねだってきた。
「私も聴きたい!」
「ぼくも!」
「歌って歌って!」
子供達のおねだりに母親達はみんな苦笑する。
そんな中、エルフの妊婦が子供達に微笑む。
「じゃあ、何を歌って欲しい?子供向け勇者アレスの英雄譚かしら?」
エルフの妊婦がそう聞くと、子供達は嬉しそうに顔を見合わせて頷く。
そして一斉に元気良く言うのだった。
加護無し冒険者の英雄譚
ー完ー
________________
◇ただいま超下手な文章を修正してます!!!
※がっつり修正しても全然駄目な文章なんですが_(┐「ε:)_
話しの辻褄合わせをする為に大幅に文章が変わってしまう場合もありますが、芯の部分は変わらないのでその話しを読んでしまっている方は気にしないでも大丈夫です!
また、文章や話しが後半につれて酷くなってますのでゲシュタルト崩壊しないよう頑張って直してます!
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【完結】加護無し冒険者(元勇者)の英雄譚 しげむろ ゆうき @solid_yuu
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