第15話 ここはどこ?
洞窟から出るために外に通じる唯一の通路を、リスナーと雑談しながら歩いて行く。
とてつもなく長いという訳じゃないけど、それなりに長い通路ということは事前にわかっているから下手に急がずゆっくりお散歩気分で進んでいる。
ちなみに今の話題は、私がどんなプレイスタイルでゲームをやっていくのかということ。
とは言っても、ゲーム自体そこまでやってきたことは無いしVRMMOに至ってはこれが初めてだから、プレイヤーの先輩であるリスナーに私が質問して答えて貰うという逆転現象が起きてるけどね。
「………なるほど、他のVRMMOと違ってこのゲームはシステムアシストはそこまで強くないんですね」
・完全に無いわけではないんだけどねー
・アシスト頼りのプレイヤーは地獄らしい笑
・リアルでの能力がほぼそのまま反映されるんよなぁ
・ほんとに最低限のアシストって感じだね
VRMMOゲームによくあるというゲームアシストはこのゲームではそこまであてにできないらしい。
そうなると自分自身の能力が重要になってくるね。
私はリアルだと運動が苦手というわけではないけど、得意ってわけでもないから考えて戦ったりした方がよさそうだね。
「次はスキルの獲得方法について教えてくれませんか?私も一応『夜目』っていうスキルは持ってますけど、どうやって獲得できたのかはよくわかってないんですよね。洞窟内を明るく見えないかなぁって思ってたら、そう見えるようになったので」
スキルの獲得方法についても聞いておく。
スキル自体は飾りみたいなものという説明はあったけど、あった方が便利とも書いてあったから知っておいた方がいいよねというわけである。
はたして色々な人がコメントで教えてくれた内容を纏めるとこんな感じだった。
通常種族・上位種族のどちらも同じで戦闘系に関わる基本的なスキルは冒険者ギルドにて、生産系に関わる基本的なスキルは商業ギルドにて講習を受けることにより取得可能らしい。
ただし、プレイヤーに才能が一切ない場合は別で、何をどうやっても取得できないそうだ。
スキルのレベルが習熟度って説明にあったから、レベル1が『最低限できる・扱える』だとすれば、最低限すら扱えない場合は取得できなくてもおかしくはないね。
そうこうしてるうちに通路の端までやってきた。
前方も左右も進めるような場所はない。
ということはつまり…………
「…………行き止まり、ですか」
・前も右も左も進めないのか
・選択肢は上か下かな?
・見えた感じ下は何にもなさそうだったから上だと思う
・↑私もそう思うわ
「ふむふむ、上ですね」
コメントでの推測に従って上を見てみる。
一見すると通路途中よりか少し高いだけの天井のようだ、が…………
「あ、あそこにちょっとした凹みがありますね」
・え、どこ?w
・俺達には見えないww
・ろぐなちゃん、さては視力いい?
・ひょっとしなくてもスペック高い説あるなwww
凹みがあるのを見つけたけど、リスナーにはわからないらしい。
まあ、わかりずらいからねぇ。
私もよく見ないと気づかないようなものだし。
「問題はどうやってあの凹みを調べるかですよね、梯子があるわけじゃないので私の身長じゃ全然届かないですし」
通路の天井の高さは2mくらいの位置で、凹みは大体3mの高さにある。
私の身長は140㎝あるかどうか。
どうしたって届かない。さて、どうしよう?
・身長は関係ないと思うよww
・その背中の翼は飾りなのかい?ww
・ろぐなちゃん、翼の存在を忘れてるのかわいい
・自身の種族を思い出すんだ!!w
あ、そっか。
翼があるの忘れてた。
「すっかり翼があるのを忘れてました。では、ちょっと飛んで調べてみますね………っと、あっさり横に動かせましたねこの天井」
・すんごいあっさり動いたなww
・いつ見ても簡単に飛んでるけど、普通は飛ぶの不可能なんだよなぁ………
・どうやって翼を動かしてるんだろうか………
・精々が滑空するくらいだもんなぁ………
飛ぶことってそんなに難しいかな?
まあいいや、今はそれよりも先に進むことにしよう。
「通れるようになったのでさっさと進んでみましょうか」
天井があった部分を通り進んでみるとそこは洋館の地下室みたいな部屋に出た。
「えーと…………ここはどこ?」
ろぐなろくっ!! 〜TSから始まるVRMMO実況配信〜 霧雨つゆ @kirisame_tuyu
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